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[認知症介護]物盗られ妄想、迷惑電話を解決した方法(実例)

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アルツハイマー型認知症のHさん(83歳女性)は若い頃、化粧品の販売や保険の外交員をしていました。
実家は裕福でアパートを複数所有し、華やかな青春時代を過ごしてきました。

息子はいるのですが、神奈川に定住しており、孫は全て東京住まいです。
夫を早くに亡くし、一人暮らしでしたが男性の影は常にあり、同棲したり、社交ダンスで知り合った男性と愛人関係になり、病院受診の際には色々な男性を連れてきてクレームを入れてくる要注意人物でした。
しかし、ここ5年ほど前から物忘れが激しくなり、息子さんが施設入所を決意され、当施設へ入所になりました。
アルツハイマー型認知症以外は、特にこれと言った疾病はなく、若干骨粗鬆症がある程度です。
金銭に関しては、かなり大きな額を持っているので、成年後見人を付けています。
認知症初期の頃より
「私の財布の中身を誰かが盗んだ」
「通帳がない」
「車を誰かに盗まれた」
「印鑑を盗まれた」
等の物盗られ妄想が出現し、各部屋を覗くどころか他人の部屋に勝手に入り、タンスや床頭台をあさり何度かトラブルになりました。

また、夜間も探して回るため所在の確認が常に必要でした。
加え、施設には公衆電話があるのですが、息子や親戚に上記の訴えを昼夜問わずかけ続け、1ヶ月の電話料金が1万円を超える場合もありました。
親戚の方は夜遅く電話がかかってくるために迷惑そうでしたし、息子さんは自衛官でそこそこの地位に就かれているので中々電話で捕まえることは出来ず、どうしてつながらないのか本人は分からず増々混乱するばかりでした。

周辺症状に対する対応

早速ユニット内で会議を行い、複数の対応を統一して行うことにしました。
〇「通帳がない」「印鑑を盗まれた」についての対策ですが、家族様に使用済みの通帳を持ってきていただき、それを床頭台の引き出しの中に入れ、引き出しの取手のところに「ここに通帳あり」と張り紙を貼りました。
文字は明朝体で大きく赤で表示、それをラミネートして貼り付けました。
時折それを剥がしてゴミ箱に捨てる事がありましたので、その都度対応しました。
通帳はどこか?と聞かれた際には、「ここ(床頭台)に置いてますよ」と伝えることで納得するようになりました。
印鑑に関しては、悪用される危険性もあるので、認め印を購入しキズをつけ使用出来ない様にし、本人の通帳と共に保管しました。

〇「私の財布の中身を誰かが盗んだ」に対する対策ですが、本人に家計簿を渡し、おやつ等購入した場合は金額の記載とレシートを貼り、さらに写真に残すようにしました。
また、成年後継人に事情を説明し、本人の持つ金額を毎月3000円に限定しました。

〇「車を誰かに盗まれた」に対する対策ですが、テープレコーダーに「車は東京で使っているから、心配しないでほしい」と息子さんに録音してもらい、息子さんの写真と車とで合成写真を作成しそれを本人に手渡しました。

〇親戚筋へ昼夜問わず電話することに対する対策ですが、まず本人様が電話をされていた親戚の方へ息子さんから電話をしてもらいました。
そして、息子さんに別回線の電話機を用意してもらい、公衆電話からかかってくる電話をNTTが行っている「ボイスワープ」を利用し、その別回線にかかるようにしました。

以上4つの対策を行いましたが、最初の頃は、毎日対応していたものがどんどん回数は減っていき、現在では上記の訴えは殆ど見られなくなりました。
その代わり、今度は自分の好みの男性利用者にちょっかいを出すようになり、その男性家族とトラブル状態でユニット移動か若しくは退所を促すかの選択に現在陥っています。
認知症の症状はその時々によって変化します。
問題を一つ解決するごとに、次の問題が出て来るいわば終わりのない道を歩んでいるようなものです。
しかし、いつかは終わる道です。
その経験は自分の糧となり、経験として蓄積していきます。
利用者様に毎日安心して施設生活を過ごして頂けるように、今後も私達職員の試行錯誤が続いていきます。

[参考記事]
「認知症の物盗られ妄想にどう対応しているの?」

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