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脳血管性認知症により「まだら認知症」になっている70代男性

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老人保健福祉施設に入居していたNさんは70代後半の男性で、脳血管性認知症と半空間無視がありました。

Nさんは脳血管性認知症による「まだら認知症」「服の前後不覚」「感情失禁(感情の爆発)」が顕著にありました(参考記事「脳血管性認知症ってどんな症状があるの?」)。
そして脳血管性認知症は「自分が認知症である」ということを理解してる人も少なくありませんが、Nさんもご自身で理解をしていました。

まだら認知症は「できないことは今後もずっとできない」というわけでなく、本人の体調や気候の変化などにより日々差があります。
排泄の一つを取っても、「トイレ介助が必要な日」「おむつで対応する日」「自立してトイレが可能な日」など様々です。

ですので介護は被介護者ができることはご自身でやっていただいています。

Nさんは自分が認知症であるという自覚の他にも、日々できることとできないことが違うということも理解していることが多かったです。
そのため、施設では自室にこもり、「介護をしてもらうのは申し訳ない」とご自分で無理をしてしまうことも多々ありました。

認知症が理由で施設に入居している場合、「寂しい」と気持ちを吐露する方が多いですが、Nさんの場合は「今までできたことができない恐怖と不安」を非常に感じているようでした。
その場合、話を聞いて寄り添ったり、一緒に何か趣味を通じて理解し合うというのが難しいです。
Nさんの場合も興味があることを行っても「昨日はできたのに今日はできない」などひどく落ち込み、感情失禁に繋がってしまうこともありました。
Nさんはそういったご自分の気持ちも理解していましたので、自室に閉じこもって外の風景を眺めたりとあまり行動せずにいる方が精神的に楽だったようです。

食事は自分で継続してできる大事な行為

Nさんは半空間無視があるため、利き手を変えたり、配膳をしても空間無視の範囲に入らないようにするなどの考慮をしていたため、自立して食事を摂ることが多かったです。
施設で入居している方は「食事が一日の一番の楽しみ」と言っていることが多いですが、Nさんもその一人です。
また、「自立して食事ができるということ」は非常にNさんを支えていることでもあったのです。
食事介助を行おうとすると感情失禁に繋がりやすく、Nさんにとって食事とは「ご自分で継続してできる非常に大事な行為」でした。

施設に入居しているからと言っても、すべての方が「自分を受け入れてほしい、理解してほしい」と思っている訳ではないことを理解しました。
Nさんのように日々不安と恐怖、ストレスに苛まれている方の場合、自室に閉じこもって外の風景を眺めている方が精神的に楽な方もいるわけです(もちろん、ケースバイケースですが)。
特に、感情失禁や暴言、暴力が多い方はそういった自分でも理解しきれない情報の処理に困っているのではないかと感じます。
そういった意味から介護は身の回りのことを助けるだけでなく、いかにその人に合った援助を行えるかが重要です。

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