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認知症で困っている家族に老人施設の意義を説明し、納得した事例

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私は通所介護事業所勤務の職員です。
今回は家族と同居をしているアルツハイマー型認知症を患っている高齢者Aさん(75歳女性)のお話をします。
日常生活動作は特に問題はないのですが、シルバーカーを使って歩いている状態です。

しかし、彼女にはリハビリパンツの交換は自分でできるのですが、使い終わったパンツを捨てないで再利用してしまう習性があります。
私がデイサービスのお迎えに行った時に使用済みのリハビリパンツを自室や外のもの干しに吊るして乾かしているのを確認しました。
ですので、Aさんは強い尿臭が常にある状況。
再三にわたりご家族様が注意を促すも聞き入れないし、注意をすると酷い時には家族に罵声を浴びせる、暴力を加える始末です。
そこで、私はAさんに「汚れたら交換をして、新しいものを使うこと」を柔らかくお話ししています。
ですので、通所利用時には、オムツの交換の促しにも渋々ながら受け入れてくれます

家ではこんな素直ではなく、先ほど言ったような激しい拒否をします。
そんな状況を続けていると、今度はご家族がAさんに対して強い拒否感を持ってしまい、両者の関係性の悪循環が止められない状況でした。

家を飛び出し、捜索へ

残務整理もあり、事業所でいつもの様にパソコンとにらめっこしている時です。
Aさんのご家族が夕方遅くに電話をしてきました。
ほとほと困った様子が電話から伝わってきました。
少し前に臭いの件で喧嘩になってしまい、ご本人様はシルバーカーで家を飛び出したとのこと。
そうなると事業所対応が妥当になってしまっています。
ご家族や職員が手分けをして探していたのですが、2時間後、近所の商店街を歩いているところを家族が見つけました。

その後はAさんを事業所へ連れて行き、今回の行動に至った内容を傾聴しました。
ご家族様の気持ちや意見も大事なのですが、まずはご本人様を落ち着かせる事が最優先になる為、優先順位を勘案し対応しました。
この時には十分に話を聞いた上で、当然自宅に戻ることを進言しました。
しかし、何度説得しても、この日は帰りたくないとのことでご家族様にその旨を連絡。
そこで、もう少し落ち着くまでお預かりし、お茶を飲みながら他愛のない話をしていました。
事業所に連れて来て1時間が経過し、ご本人様も気分が落ち着いたのか「帰ろうかな…。」との声が聞かれたのでお送りしました。

家族との相談

その後、ご家族様にAさんが帰ると言う連絡をし、且つ今後の対応を考えて頂くべきと思い、後日お時間を頂戴しました。
実際、ご家族様の声として「家で見られない。」や「孫やひ孫も一緒にいたくないと言っている。」との話が出ました。
ご本人様の言動や、排泄の処理が出来ない事(冒頭に書いたオムツの使い回し)が、家族全体のストレスになっていました。
田舎の家族はとにかく限界を超えても頑張って、家庭崩壊寸前まで引っ張る傾向があります。
そこで、何のために介護保険があるのか、施設があるのかをしっかりと説明をしました。
そうしたところ、何度も何度もお伝えする事でご家族様も徐々に理解を示していただきました。
その後は、担当ケアマネジャーへ報告し、最善の策を一緒に考えて行くという流れに進んでいきました。
ご家族様も最終的には「受け入れ可能な施設があれば」
となり、然るべき施設のご案内をさせて頂きました。
その後、ほぼ時間を要さず施設入居が決まり、ご家族様も心配なく過ごしているとのご連絡を頂きました。
施設入居を「悪いこと」とする考えを払拭しなければ、家庭崩壊を起こしかねません。
ご家族様にとって何が必要なのかのニーズ掌握、ご本人様にとって何が妥当なのかの判断をしっかりしていく必要がありました。

軽度の認知症と考え、ご家族様への配慮や、ご本人様への支援を曖昧にしてしまうと、ズルズルと悪い方向へ行ってしまいます。
もちろん、これは思想の問題もありますので、一概に施設に入れましょうと言っている訳ではありません。
以前、あるお客様に対応させていただいたのですが、家族全員がある宗教に入っていました。
宗教の教えなのかを分かりませんが、「親を施設入居をさせるのは嫌です」とはっきり言われたので、もちろんその方向で対応をさせていただきました。
それはそれで素晴らしいことだと私は思っています。
でも、我慢することで家族の生活が壊れてしまう事例もありますので、限界が来る前に相談することをお勧めします。

[参考記事]
「特別養護老人ホームの特徴とは。待機者が50万人以上」

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