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寝たきり症候群が改善し、認知症の進行を予防できた事例

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訪問介護の利用を開始したNさん(女性、70代後半)は、利用前の実態調査による情報では『寝たきり』とのことでした。
ホームヘルパーは、単独で動くからこそ情報は全員が共有できていなければなりません。
最初に寝たきりという情報をもらえば、ヘルパーは『寝たきりなんだ』という頭でサービスに入ります。
今回は寝たきりだと思っていた利用者さんが、寝たきりの生活から離れることのできた事例を紹介します。

最初の情報は寝たきり

Nさんは肺炎で入院していたのですが、退院して間もなく訪問介護を利用することになりました。
過去に、変形性膝関節症による手術歴があり、歩行はもともと不安定でしたが、入院しベッド上で長く過ごしたことによって、『歩けなくなった』ということでした。
また、数年前からアルツハイマー型認知症を患っておりましたが、目立った問題行動は無いということでした。
入院する前も、あまり活動的ではない(横になっていることが多い)ということでしたが、退院して完全に寝たきりの状態になり、ホームヘルパーの利用が開始されました。
Nさんの情報をまとめますと
・同居家族は息子一人、日中は不在
・寝たきりの状態
・排泄はベッド上でオムツ交換
・食事はサイドテーブルに配膳すると自力摂取可能
・入浴は訪問入浴を利用(車で浴槽を運んでくるもの)
・アルツハイマー型認知症、現在症状は軽い
などの情報がヘルパーに共有されました。

歩けないはずのNさんが移動していた

ベッド上でオムツ交換をする時も、横を向いたり、腰をあげたり、「体はよく動くほうだな」と、関わったヘルパーはすぐに感じました。
食事も、配膳すると自力で問題なく摂取され、手の動きもほとんど問題がない様子でした。
物忘れや、話のつじつまが合わないことはありますが、簡単な意思疎通は可能でした。
同居の息子さんが仕事へ出ている日は、毎日3回訪問し、オムツ交換と食事の見守りなどを行っていました。
訪問が開始され2週間経った時、一人のヘルパーより「Nさんがリビングにいた」との情報が入りました。
どのようにここまで移動してきたか伺うと、「這ってきた」と話したとのこと。
念のため、体の表面的なところを確認したところ、傷・アザなど痛がる部位も無いということでした。
ベッドに戻るよう促してみると、Nさんはなんと立ち上がり、手すりなどにつかまりながら、歩行しベッドに戻ったのです。
ご家族もこのことを聞いたときは、驚いていました。

こっそり移動していた理由

Nさんはアルツハイマー型認知症ですが、入院前も徘徊のような行動はなかったそうです。
息子さんは【認知症=徘徊】という不安があり、Nさんが徘徊という行動に出ないように、「あまり動くなよ」「転ぶと大変だから、そんなに歩かなくていい」など、なるべく動かないようにという声掛けを日常的にされていたそうです。
Nさんは、おそらくその記憶があり、ベッド上で過ごしていたのだろうと思われます。
「いつも歩くなって言われるから…」と、ヘルパーにひとこと話したときもありました。

サービス内容の変更

動くことができるのにすべてベッド上でのサービスではホームヘルパーも腑に落ちないですし、利用者さんのためにもなりません。
担当者会議を開催し、これからのサービスについて検討されました。
まず、テープ式のオムツからリハビリパンツに変更することにしました。
それでもやはりNさんはほとんどベッド上に居るので、声掛けをしてトイレへ促し、出ても出なくてもトイレで用を足すように誘導してみようということになりました。
そのときに無理強いはしないことも徹底しました。
また、食事はリビングに配膳し、テーブルで召し上がって頂くよう促しました。
そうすればベットから離れてリビングまで歩いてくるしかないので、筋肉の衰えも予防できます。
入浴は、訪問入浴は中止し、ホームヘルパーによる自宅のお風呂での入浴介助をするということになりました。
これらのサービスに、Nさんはほとんど拒否をみせませんでした。
歩行移動する際は、以前使用していた杖と、軽介助をしましたが、「手伝ってもらって悪いね。手間をかけるからベッドの上でもいいよ」なんて話すこともありました。
このサービスを続けて1か月、ずっとベッドにいたNさんが、ヘルパーの訪問時にリビングで待っていることもみられました。

息子さんは、徘徊を恐れるあまり「あまり動くな」などと言ったことを「言い過ぎたかな」と反省していました。
体の機能は使わないと筋肉だけなく、脳も衰えていくので、認知症も悪化する可能性もあります。
今回の件では、Nさんが完全な寝たきり状態になったり、認知症が進行することを少なからず防ぐことができたと思います。

[参考記事]
「転倒による寝たきりから認知症になるのを防ぐために注意するポイント」

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