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認知症介護:便を顔に塗る弄便や便を食べる異食行為への対応(実例)

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Cさん(女性・89歳)は、特別養護老人ホームのショートステイを利用していました。
アルツハイマー型の認知症の症状が進行しており、施設利用時は深夜徘徊などの行為がありました。
Cさんの介護で一番大変だったことは、ろう便(便を触る行為)や、自分の排泄物の異食行為への対応の部分です。
Cさんはつかまり歩きが出来る方だったのですが、長距離の自立歩行が難しく、居室からトイレまでの距離が遠かったため、居室にポターブルトイレを設置していました。

ある日、Cさんの居室の前を通りかかると、異臭がしました。
中を覗くと、Cさんが自分の排泄物を壁や床にこすりつけていました。
顔も排泄物で汚れています。

当のCさんは、自分がしていることの意味が分からないようで、笑顔で居室の隅に座りこんでいました。

不潔行為と異食行為に対する対応

Cさんの不潔行為と異食行為に対して私ともう一人の職員が対応したことは
● ベッドのリネン交換、居室の清掃。
● Cさんの入浴介助と衣類交換。
● 便の異食行為をした場合には入れ歯を洗剤で洗い、入れ歯洗浄剤につける。
● 水で濡らした使い捨て用のガーゼで口腔内を清拭し、イソジンでのうがいを勧める。
● Cさんをお風呂へ誘導する。
体が排泄物で汚れているCさんに対して
私「お風呂に入って服を着替えたほうがいいので、一緒にお風呂場にいきましょう」
Cさん「あら、お昼からお風呂にはいるの!」
私「今日は特別ですよ。昼風呂って気持ちいいですよね」
Cさん(笑顔で)「今日は贅沢だね~!」

補足:
排泄物の匂いが残らないように清掃後は居室の換気を行い、消臭剤で壁や床についた排泄物の臭いを消しました。

ろう便や異食行為のあるCさんへのその後の対応

● 時間を決めてCさんのトイレ誘導を行い、居室での排泄回数を減らしてもらった。
=>トイレ誘導の時間については
日勤帯:朝食後、昼食後、夕食後、各食事までの間に1回(計5回)です。
夜勤帯:夜間はおむつ交換の時間が2回設定されていました。
トイレ誘導の時間は、Cさんにも希望を聞いて、時間を変更して行うことがありました。

● 職員の見回りの時間に、Cさんの居室の状態をチェックすることにした。
● 居室でCさんがポータブルトイレを使って排泄した場合は、出来る限りコールボタンで教えてくれるように伝えた。
● 排泄が終わるとすぐに職員がポータブルトイレを清掃するようにした。

補足: Cさんは、一人で居室で過ごしている時に排泄物の不潔行為や異食行為を繰り返していました。
ですので、食堂などの職員の目の届きやすい場所で過ごしてもらう回数を増やし、トイレ介助の要望があるときは、トイレまで職員が付き添って対応していました。

排泄物へのろう便や異食行為はなぜ起きるのか?

異食やろう便は、認知症の中核症状である「失認」が原因であることが多いです。
「失認」とは物の名前がわからなくなったり、知っている物の使い方がわからなくなったりする症状のことです。

Cさんの場合は、自分の排泄物が、「何かよくない臭いのするもの」「隠しておきたいもの」「食べても大丈夫そうなもの」として見えていた可能性があります。

[参考記事]
「認知症の中でも一番多いアルツハイマー型認知症の症状は?」

自宅での排泄物への不潔行為や便の異食行為への対応

● 部屋の壁や床を、清掃しやすい状態にする →
例えば交換しやすい床用のマットを敷く、壁に保護用のビニールを貼る。
(清掃しやすいと介護時の負担も減ります)

● ろう便の場合は手が一番汚れているので、手を拭いてからお風呂に誘う。
● 時間を決めて、トイレに誘う。
おむつの場合は、便が出たことに気づいたらすぐに取り換える。

施設内介護とは違い、自宅での介護中に、被介護者の排泄物の不潔行為や異食行為があった場合は、介護者の負担も大きいと予想されます。
その際は一人で抱え込まずに、担当のケアマネージャーに相談してみるといいでしょう。

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