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もの忘れが強く、同じものばかり購入してしまう認知症女性の事例

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アルツハイマー型認知症の70代のY様(女性)は、身体的にはとても丈夫ですが、軽度の認知症との事でデイサービスを週二回利用しています。
住まいは息子様とY様で同居しています。
早くにご主人様を亡くされ、Y様の面倒を見ながら仕事をする息子様は独身です。
息子様は仕事柄、出勤が早く帰りも遅い為、日ごろ自宅にてY様と会話をする機会が少なく、土日以外はほぼ独居生活です。

【施設での状況】

元気で明るい性格のY様は、デイサービスに新しい人が入ると、優しい言葉をかけるなどの気遣いをよくされていました。
物忘れが多い状態ですが、会話のキャッチボールはきちんと成立しています。
物忘れは主に「言った事を忘れてしまう」「物を置いた場所を忘れてしまう」「買った物を忘れてしまう」などです。
年齢と共に個人差はあるものの、誰にでも物忘れはありますが、Y様は他の同年齢の方に比較して、物忘れの度合いが強いです。

【家庭での日常生活に異変】

自宅では、息子様と同居をしていますが、ほぼ日中は独居生活です。
食材の買い物、掃除、洗濯も全てY様自身が対応してます。
掃除、洗濯は昔から行っているため、毎日、かかさず行っています。
洗濯物を干す時は、きれに干しています。
ごみ出しの予定も間違えないで、しっかり出されています(ごみ収集カレンダーを玄関の扉に張り付けて確認しています)。

日常生活で何ら支障もないはずでしたが、ある日、息子様よりご連絡をいただきました。
「冷蔵庫に人参がたくさん入ってるんですが、施設で使うのでしょうか?」と問合せの連絡がりました。
我々は「施設で使うものではありません」とお答えしました。
利用者に何かをお願いするという事は全くないとの話をさせてもらいました。
帰りの送迎時に家に寄らせていただいて冷蔵庫を開けてみると、びっくりするほどの量の人参で冷蔵庫がいっぱいになっていました。
Y様に聞くと、「あら、なんでこんなに人参が入ってるのかしら?」と驚いていました。
Y様は自分でスーパーで買われたことも忘れています。
なぜ人参を買ったのかも判断ができなくなっています。
Y様は特別、人参が大好きなわけでもなく、人参を活用した料理を毎日、作るわけでもありません。
ケアマネージャーと再度、一緒に自宅に訪問し状況を再確認しました。
後に、かかりつけ医に相談してもらい、「記憶、理解、判断能力が落ちてきたのでしょう」との意見をいただきました。

しばらく様子を見ることにして、何かあれば息子様から送迎時に連絡帳に記載していただくという方法で行いました。
少しの間は、何も起きずに済みましたが、今度は人参ではなく「卵」をたくさん購入していました。
Y様に「卵、どうするの?」と尋ねると、「どうしてこんなにあるんだろう?誰が買ったのかな!」と話し、「そうだ、みんなに配ろう」と話されました。
しばらくするとまた違う食品で同じ事を繰り返している状態です。

もの忘れに対する対応

「物忘れ」に対しての対策としては会話をする時間を増やしたことです。
Y様は家に帰っても話す相手が息子さんしかいないのですが、仕事で忙しくてほとんど会話がありません。
そこで、会話の時間を増やすことで、脳の前頭前野を刺激し、記憶力をこれ以上衰えさせないように、遊び感覚でトレーニングをしています。

周囲の職員がY様と楽しみながら会話を行い、クイズ、しりとりなど、「思い出させること」を積極的に行っています。
また、話すだけでなく「書く」ことで、脳に刺激を与えようと行っています。
脳を活性化するトレーニングだけではなく、買い物に関しては以下の対策を実行しました。
ケアマネージャー及び息子様と相談し、スーパーで同じもの(食材のみ)を購入するという点から、①「食材は宅配」 ②「ヘルパーさんの利用」、どちらが妥当か検討しました。
① の宅配にした場合、注文書の記入が難しいことと、注文した事を忘れるなどから却下しました。
その結果、②「ヘルパーさんの利用」で様子を見ることにしました。

ヘルパーさんが1週間の献立表を作り、「1週間で使う必要な食材の購入だけ」をお願いしました。
また、同じものを買わないように「冷蔵庫にある在庫表」を冷蔵庫に大きく張り出しました。
その結果、少しは緩和されましたが、まだ同じ食材を買われる傾向がありました。

その後、食材は息子様が休みの時に、一週間分のまとめ買いをすることとなりました。
やはり、記憶力の回復はそう簡単にトレーニングだけで改善するわけではなく、ご家族の協力が不可欠だと感じた事例でした。

[参考記事]
「認知症により障害を受ける3つの記憶力」

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