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[認知症介護] 夕暮れ症候群による帰宅願望への対応

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グループホームに入所して間もないアルツハイマー型認知症のBさんの話をします。
Bさんは一人暮らしを続けられ、時々遠方に住む長男の支援を受けながら生活をされていました。
しかし、徐々に認知症が進行して、徘徊で帰れなくなることなどが多くなり、グループホームへ入所されました。
専業主婦で夫の仕事を支えながら家事を切り盛りして、数年前夫が認知症になった時は献身的に夫の介護を行われました(夫は既に他界されています)。
そのため、他者との交流は少なく、編み物や洋裁など一人行うものを好まれていました。

入所直後から帰宅願望が発生

そんなBさんはグループホーム入所直後から帰宅願望が見られました。
タンスのものを全部出してカバンに詰めて、夫の看病に行くなどといって外へ出ようとする行為を繰り返しました。
時には他の入所者の部屋などへ入って荷造りをされることもありました。
ホームから出ていくのをスタッフが止めようとすると怒り出すので、しばらく一緒に外を歩いていました。
しかし、Bさんは道順も分からず歩いているので、そのうち疲れてきて、仕方なく施設へ一緒に帰るといった行動になるのですが、これが毎日繰り返されました。

カンファレンスを実施して対応方法を検討

スタッフの意見をまとめると、Bさんの帰宅願望が生じる時間は夕方が多いことが分かりました。
そのため夕暮れ症候群による帰宅願望として対応を考えました。
カンファレンスで出た対応策としては環境整備と気分転換の活動の実施です。
例えば…
夕方はスタッフの入れ替わりがあったり、忙しい時間帯です。
スタッフがばたついているためBさんの不安を一層強める要因になっているという意見でした。
そのため、仕事を終えたスタッフはBさんに気づかれないように帰るようにしました。
そしてBさんには元々好きだった編み物をしていただき、忙しい雰囲気を感じないように工夫しました。

また、息子夫婦に協力してもらい、Bさんが夫の看病などを気にされる場合は電話で対応していただき、
「私達(息子夫婦)が代わりに看病に行っているから安心するように」
と言ってもらうようにしました。
さらには息子さんには昔のBさんの生き方を回想しながら大変さをねぎらったり、夫からの感謝の気持ちを代弁して伝えるようにお願いしました。
夫は既に亡くなっているので、結果的に嘘になってしまいますが、Bさんは夫のことを一番気にしていましたので、仕方がないと判断しました。

落ち着きを取り戻され様々な役割に参加

スタッフが対応方法を変えたり、息子さんのサポートにより、しばらくするとBさんは帰宅願望をほとんど示さなくなりました。
時々、帰りたそうな雰囲気を示されても、Bさんの不安や孤独感を汲み取りながら、訴えを傾聴することで、すぐに落ち着きを取り戻されるようになりました。
さらに編み物の作品をフロアに飾ったのをきっかけに他の入居者との交流も増え、お茶配りなどのお手伝いも実践してくれるようになりました。

今回は、長年家族のために尽くしたBさんの思いを共感し息子さんに伝えてもらうことや夕方のスタッフの対応を工夫することが良い結果に繋がりました。
我々スタッフはいつの時も入居者に寄り添い、個人の思いをしっかり汲み取りながら対応をしていく必要があることを改めて思い知ることができた経験でした。

[参考記事]
「認知症の帰宅願望に対する対応(グループホームでの実例)」

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