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突然キレる認知症高齢者との接し方は傾聴が基本(実例)

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発症の経緯

利用者のMさんは67歳と容姿もまだ若い女性ですが、アルツハイマー型認知症と診断されて、介護施設に入所して3年が経ちます。
認知症は脳に急激なストレスがかかると発症する場合もあると言われています。
Mさんは旦那様が亡くなった時に相当の悲しみから徐々に白髪となり心身共に疲れ果ててしまったそうです。
それ以来、家事をしたり、外に出ることもなくなり、引きこもり状態となりました。
そして、認知症を発症すると、今度は毎日キレるようになり、同居している娘様との喧嘩も激しくなり、施設に入所することになりました。

はじめは温和に過ごしていた

Mさんが施設に入所するとき、娘様が心配したのは他の入所者との人間関係です。
Mさんが入所した施設には、相当わがままな女性、いつも王様気分の資産家男性、車椅子の女性など様々な方がいるため、Mさんが自宅で娘様と口論するようにトラブルを起こさないだろうかということでした。
しかし、Mさんは体操やレクリエーションを他の入所者とも仲良く楽しみ、娘様の心配は杞憂に終わりました。

心臓を患う

ところが、施設に入所して2年ほど経ったある日、Mさんは胸の痛みを訴え病院を受診したところ心臓病と診断されました。
この頃から、様々な行動が制限されるようになったことで事業所のスタッフにキレるようになりました。
具体的には、食事をしている最中に「こんなマズいもの出して失礼じゃないの!」やレクリエーションの最中に「うるさいわね、静かにしてよ」と週に3回くらいは怒鳴るようになったのです。

毎日キレる始末に

それから1ヶ月ほど経ったある日、夕方になると「家に帰ります」と突然言い出したので、まだ一時帰宅の日ではないことを伝えると、「絶対帰ります、早く車出して」とスタッフを怒鳴ったのです。
それ以降、毎日、食事に対して文句を言うようになり、レクリエーションでは大声を上げて他の入所者を威嚇するようになりました。
スタッフもMさんがいるからという理由で退職するケースまで出てきました。
こうした経緯からMさんは他の入所者だけでなくスタッフからも嫌がられる存在になってしまいました。

こういう時こそ大切な傾聴

確かに、認知症という状態では、まともな会話は難しいかもしれません。
事実、Mさんはご飯を食べて30分後に「私のご飯はまだ?早く出しなさい」とキレることもしばしばあります。
でも、キレた時こそ、じっくり話を聞いてあげることが大切なんです。
Mさんは、亡くなった旦那様と結婚するまで役所に勤めていたのでテレビのニュースで政治的な話題になるとよく昔の役所話を持ち出します。
また旅行がとても大好きなので、桜や紅葉をテーマにして旅行雑誌を見ると笑みがこぼれます。
つまり、Mさんがイライラしてきたら、こうしたテーマを振ってあげると喜んでお話してくれるのです。
何度も同じお話をすることもありますが、スタッフが親身になって楽しい話題を提供して、Mさんの話に耳を傾けてあげていたところ、傾聴の徹底により、Mさんがキレない日が増えてきたのです。
たとえ認知症であっても、人に話を聞いてもらえるということはMさんにとって喜ばしいことであり、続けていけば回復の兆しも見られるかも?という期待をスタッフが持つようになりました。

当たり前のことを当たり前に行う

Mさんのように突然キレる認知症高齢者は、多かれ少なかれ自分の思い通りにならないストレスを感じているのだと思います。
ですが、傾聴によってそのストレスが軽減されるなら実践すべきです。
Mさんのケースを系列施設に情報提供したところ、モデルケースとして取り上げられました。
ケアマネージャー、ヘルパー、介護士なら当たり前のスキルかも知れませんが、基本だからこそ出来ていないことも多いものです。
ですので、基本的なことを忠実に行うことで喜ばれる介護が可能になると言えます。

[参考記事]
「傾聴の大切さ。自殺願望を訴える認知症利用者に対する事例」

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