Read Article

広告

[認知症による徘徊] 行方不明を防ぐための対策

広告

 

アルツハイマー認知症の70代のH様(女性)は、ご主人を早くに病気で亡くし、ご自宅(戸建)でお一人住まいです。
H様が一人になってから、娘様夫婦(共働き)が近隣に住まわれ、朝、晩の見守りを行い、お孫様(女の子)は小学校から帰宅すると必ずH様宅(祖母)に顔を出し、安否確認をしています。

このような背景の中で、デイサービスに週2回の通所をスタートしました。

【毎朝の散歩が日課】

H様はご主人と生活している時から、毎朝、夕方の2回ほどご自宅の周囲を散歩することを日課としています。
雨が降らない限り、必ず散歩を行っており、歩行スピードも早く、背筋も真っ直ぐ伸びて体力もあります。

【日時が覚えられない】

初回デイサービス利用日には、初めてとの事もあり娘様が朝、H様の送迎のお見送りに立ち合い、一日を無事に過ごされました。
それから2回目、3回目とご利用回が増えていく中で毎回、ご利用日を覚えていませんでした。
当初は単に忘れてしまったのではないかと考えていました。
しかし、毎回になると状況はおかしく、見当識障害の「今日の日付が分からない」の疑いがあると確信しました。
私たちは、ご自宅のカレンダーに大きく赤字で、デイサービス利用日と迎えに来る時間を明記しました。
また、娘様に相談し「今日はデイサービスの日」という大きなカード(30センチ四方)を作り、朝食時に
家の最も目につく場所(H様が一番滞在する時間の長い場所=居間)に置いてもらっていました。
しかし、娘様が仕事に出かけられると、すぐに忘れてしまいます。
送迎に伺うと「今日行く日でしたか?」との返答が多々ありました。

【徐々に徘徊が始まる】

日々、同じルートを散歩しており、慣れているにも関わらず、帰る家が分からなくなり、近所の方に保護を受けることがありました。
今まで道に迷う事はなく、多少時間が経過しても必ず自宅に戻っていました。

これが初めての「徘徊」症状の兆候の現れでした。
それからしばらくすると、家に帰れなくなる事が徐々に増え始めました。
そこで、近所の方々のご協力で見守りをしていただくようになり、H様が家の外にいる場合、近隣の方が声掛けなどでコミュニケーションをとっていただき、一人でいる時間を減らすような努力(見守り)が近隣住民との間に生まれました。

【ある日、行方不明=捜索願い】

利用日朝、いつも通り送迎車でお迎えに行くと、Y様は自宅の中にはいませんでした。
恐らく散歩にでており、まだ戻っていないのではないかと考え、いつもの散歩コースを探しに行くが見当たりませんでした。
近隣の方に伺っても不明との事。
その日は、娘様は仕事の事情で、いつもより早く出勤された日でした。
ケアマネージャーに連絡し捜索を引き継ぎました。
しばらくしても発見できず、警察に捜索願が出されました。
その当日は発見されず、後日、自宅から10㎞も離れた場所で無事に保護されました。
普通に歩いているだけでは、一般の健常者に見られ、だれにも不信感が抱かれない様相です。
それから数か月後、また、捜索願が出され「行方不明」となりました。

外見では誰しも不信感を抱かない点が発見を遅らせています。

【GPSの装着】

「迷い人」になると、事故、事件、脱水症状で倒れる、冬場なら凍死など命に関わるリスクがとても高い症状です。
このリスクを軽減するために、「家の外からカギをかけ、外出できなくする」は、監禁みたいに閉じ込めてしまう為、問題があります。
そこで、市役所の担当者、ケアマネージャー、娘様と話し合い、GPSを装着することで、所在判明させる試みを行いました。
GPSをどこに装着したら最も効果的かいくつか試しました。
① 洋服に袋状の部分をつくりGPSを袋の何に入れ縫い合わせる。
② 靴に装着する。
③ かばん(普段外出時に持ち歩く)に装着する。
上記3つの方法を検討しました。
②は日によって履く靴が異なるため、特定の靴1足のみしか利用できないようにしても靴を履かないで出かける場合があり断念しました。
③は本人が発見し捨ててしまう。
あるいは、かばんを持たないで外出することがあり断念しました。

残るは①のみでした。
娘様が毎朝、服を着替えさせる際に洋服のポケットにGPSを装着しました。
Y様はズボンは気にしても上着はどんなに汚れていても暑くても着たままであり、GPSに気づくことはありませんでした。

現在も洋服にGPSを装着し、日課の散歩を楽しまれています。
時折、遠方までいく事がありますが、GPSにより早期に発見されています。

【迷い人の対策】

認知症による行方不明は年間1万件以上発生していますが、単純計算で1日30人です。
ごくありふれた認知症の症状といってもいいでしょう。
しかし、徘徊の対策として、これが正解というものはありません。
ただ、近隣の方々との連携が何よりY様、娘様にとって心強い支援である事は確実です。
このように地域で連携し見守体制を作っていくことが必要です。
また、GPSの装着は家族、関係者より、ご本人の命を守るために必要な装置だということを認識しました。

[参考記事]
「認知症による徘徊を止めないでココセコムを使ってサポート」

URL :
TRACKBACK URL :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

Return Top