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物盗られ妄想、汚れた下着を隠すなどの認知症の症状に翻弄される家族

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 この記事は認知症の曾祖母を介護した経験がある中野さんに書いていただきました。

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 曾祖母が認知症と診断されたのは私が19歳の時でした。診断される前からその兆候があり、私が両親を説得し、急かす形で曾祖母を病院に連れて行ったところ、脳の画像診断にて委縮が認められたため、アルツハイマー型認知症であると診断を受けました。両親は時々いつもの曾祖母に戻ることもあって、受診を決めかねていました。そのうち近隣の方々にご迷惑をかける形で認知症の症状が表に出たので受診を決めました。

 診断を受けてすぐは様子を見るということで認知症の薬は処方されませんでした。症状が収まらなかったため、2か月後には認知症薬を処方され飲んだのですが、進行を抑えられたようには思いませんでした。と言いますか、何も良い変化がないため効いたのかどうかが分かりませんでした。

 曾祖母は糖尿病も患っていて以前より母は白飯を計り、曾祖母の食事に出していました。しかし家族が目を離したすきに5合ある炊飯器のご飯を全て平らげてしまうことが続き、さらにはお茶碗を持って隣家に行き、ご飯をもらって食べていたということが発覚しています(これを合わせると1日に7合ほどのお米を食べていたでしょうか)。これは認知症の症状が悪化し、食べたことを忘れてしまったことが原因です。隣の家に行きご飯をもらってくるほどの食欲と行動力があり、それなのに認知症という、頭と体が全く逆の状態です。

 その結果、とうとう、糖尿病の症状が悪化して入院するはめになりました。糖尿病の合併症には糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害という「三大合併症」の他に認知症がありますが、これはほどんとの人が知りません。認知症の症状の安定させるためには食生活も大事な要素だと思い知った経験でした。

認知症の症状に翻弄される家族

 排泄障害が出始めるとタンスやベッドの下、押し入れなどに汚れた下着を隠すのでいつも家に匂いが充満していました。恥ずかしながら、汚れた下着が1年半くらい経って見つけたこともあります。

 また、物盗られ妄想もひどく残高500円程の通帳をびりびりに破き、母に「あなたが盗んだのでしょう」と叫んだこともありました。
母はその都度聞き流していましたが、しつこいので最後は「ばあちゃんの娘が盗ったんでしょう!」「お金なんか盗っていないよ」と直接的な言い方になっていました。そんな時、曾祖母は認知症が軽い時は肩を落としてしょんぼりしていましたが、症状が進んでからは「そんなわけない!あなたのせいだ!どごさやった!」と
興奮状態でした。

 物盗られ妄想の発症には少し特殊な事情があり、仕方がないことだなと同情する面もあります。実の娘に本当にお金を盗まれてしまったことが過去にあったのです。娘は通帳のお金を引き出させ、それを枕の下に隠せと曾祖母に指示し、それを隙をついて盗んだのです。そのことに気が付いた曾祖母は涙を浮かべて悲しんでいて、その次の日から情緒不安定になり、それも認知症に発展した原因の一つと私は思っています。愛娘に盗られたことがよほどショックだったので、それが母に対する物盗られ妄想に変換したのだと思います。

 家族がいない時にお墓まで行き、ネズミ駆除の薬を飲んたこともありました。私は家の近くで事務仕事をしており、よそのお宅へご飯を頂戴しに行くのを防ぐためとインシュリンの管理のため、昼休みを利用して自宅へ行ってお世話をしていました。その日、曾祖母が泣いて横になっていたのでどうしたのかと聞いたら、突然暴れ出したので、近所の方に事情を聞いたら、ネズミ駆除の薬を飲んでお墓にうずくまっていたところを発見された経緯を説明してくれました。まだ、意識があったので姉に連絡し来てもらい、二人がかりで病院へ連れて行きました。

 これが認知症のせいで起こったのかは分かりませんが、自分のことを分かってくれないことへのいら立ちで行われたことだと私は解釈しています。認知症の人は自分のことを上手く説明できませんので、うっ憤が溜まっていたのだと思います。

介護保険サービスの利用とケアマネジャー

 そんな中、私も忙しくなり24時間付き添うことはできなかったのですが、ついにボヤを起こしてしまいました。幸い、鍋を焦がしただけでしたが、火事になっていたと思うとぞっとします。

 こういうこともあり、私たちがいない時間に訪問介護の方にお世話になることになりました。訪問介護と同時にデイサービスやショートステイも利用しました。デイサービスに連れて行くために訪問介護の方と連携し…とここまでは良かったのですが、曾祖母が「行かない!」と渋るとデイサービスの職員は「はいそうですか」と説得することもなくすぐに帰ってしまうためデイサービスをほとんど利用しませんでした。ショートステイの事業者は曾祖母が「嫌だ」と拒否をしていても、上手に気持ちを乗せてくれたので何度もお世話になりました。

 曾祖母のケアマネジャーさんは悩みに対して特に何かを提案してくれる人ではなく(仕事熱心ではなく)、両親もそのことに関して分かっていましたが、「見捨てられたら大変だ!」と思い込んで意見を言おうとしませんでした。このケアマネジャーさんには曾祖母の施設入所までお世話になりましたが、知恵を出してくれたことはありませんでした。あまりにも適当なので、ケアマネジャーさんに私が意見を言おうとしたこともありました。しかし両親が意見を言うのを止めてほしいというので、私がでしゃばることもできず施設入所までじれったい日々が続きました。ケアマネジャーは自分たちと合わない場合には変更することができますので、あまり我慢しないほうが良いと経験上、言えます。

[参考記事]
「[認知症] 汚れた下着や物を隠す理由と対策」

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