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認知症における奇声や暴言が軽減し、在宅介護を継続できた症例

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訪問サービス利用者の80歳代女性Mさんのお話をします。
知的好奇心旺盛な方で、80歳にして短大に編入し卒業するほど何かを学ぶことが好きな方でした。
頭をよく使う人でも罹ってしまった脳梗塞。
そしてその後遺症によって認知症となり、勉強はおろか自力で歩くこともできず、要介護状態となりました。
Mさんの最も問題となった症状は奇声と暴言。
昼夜問わず大声で叫び、家族を怒鳴り、意味不明な言葉を叫び続けるMさんに家族は怯え、ノイローゼとなっていました。

急に変わってしまったMさんを見た家族の当惑は計り知れません。
Mさんは元気な頃は1人で暮らしており、Mさんの娘は突然変わってしまった親を介護することとなり、分からないことだらけ。
また昼夜問わず大声で叫ぶMさんによって娘さんは睡眠障害も発生し、介入当初は抑うつも見られていました。
こうした中、関わりが開始となり、少しの工夫や連携をきちんと図ることで奇声を最低限に抑え、家族を1人ぼっちにせず在宅での生活も継続できました。
今回の症例を通じ、脳血管障害における奇声に悩むスタッフの参考になれば幸いです。

奇声に対する対応1

まずMさんの生活背景を知る所から始めました。
食事の回数、嗜好品、睡眠時間、家での過ごし方、排泄、入浴、好きなことなど些細なことでも娘様に聞き、どんな人であったのかを知りました。
「奇声」には必ず理由があります。
奇声・暴言などは脳血管障害によって感情が抑えられない、思考の混乱などによって生じます。
本人が何か不快ことがある、訴えがあるのにうまく伝えられない時に奇声などの形で表出されます。
よってまず初めに相手のことを知り「何を言おうとしているのか」をじっくり考え、手助けしました。

今回のMさんの場合は、「便秘」と「ただお喋りしたい」といった欲求が大元の原因でした。
脳梗塞による麻痺によって自力でトイレに行けず便秘がちになっていました。
元気な頃は便秘知らずの快腸の持ち主であったため、排便ケアとして訪問看護師によって摘便や下剤の管理を行いました。
またMさんはお話好きであるのですが、幻覚も混ざったお話しをしていました。
Mさんは自分を「学生」と思っていることが奇声から見受けられましたが、小さい女の子だと思って接していると奇声を止めてくれました。

奇声に対する対応2

本人の欲求を満たした後に行ったのは、娘様や看護師、介護士などの他職種と情報共有できるよう連絡ノートを作成したことです。
ノートには娘様が食事や奇声の程度、夜の状況、睡眠できているか、服薬状況を書き、介護職や訪問看護師はケア内容や奇声の様子などを書き、それを医師に報告をしました。
サービスで入った時に感じたことや、奇声の程度、内容、叫び続けた時刻、発生タイミングなどの記録が正確であったため、医師はそれを元に薬を変更し、内服タイミングを調整したところ夜間の奇声・興奮が格段に良くなり、娘様の眠る時間を確保することにつなげることができました。

そうしてMさんが落ち着くと家族も介護に前向きになりました。
抑うつ的であった娘様も明るさを取り戻していく姿も見ることができました。
最後にはMさんは再び梗塞を起こし施設への入居になりましたが、工夫と連携ひとつでギリギリまで家に居ることは可能であり、そうした人を増やしていきたいと思った症例でした。

[参考記事]
「認知症の人が夜に大声(奇声、叫ぶなど)を出す場合はどうしたらいいの?」

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