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トイレ介助を拒否する認知症高齢者への対応

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認知症の症状を持つ被介護者が介護に抵抗することは多々あります。
今回お話しするのは、トイレ介助をされるのを嫌がったMさん(女性・83歳)の例です。
Mさんの身体症状は、膝が弱く、つかまり立ちするのがやっと・移動には車いすを使い、椅子に座る際も介助が必要な状態でした。
Mさんは排泄時には居室内のポータブルトイレを使っていました。
居室ではつかまり立ちができるので、ポータブルトイレまで一人で行って排泄を行っていましたが、それ以外の共用の入所者用のトイレで職員に介助されるのをMさんは嫌がりました。

居室では、座った状態でズボンの上げ下げを行い、ポータブルトイレで用を足すことができるMさんですが、入所者用のトイレの場合には自力で下着を脱いだり身に着けたり、その後に立つことができないため、職員の介助が必要でした。
職員がMさんのトイレ介助をしようとすると、「お尻をみられるの恥ずかしいから! あんたあっち行ってよ!」と、Mさんが怒鳴ることもしょっちゅうでした。
また、Mさんは、家族以外の人に自分の衣服を触られるのを嫌がりました。
排泄を職員に見られることにも抵抗があるということでした(これは認知症ではない人でも普通の感情です)。

対応したこと

● 「恥じらい」の感情は残っていたので、入所者用のトイレでは、ズボンのみを職員が下げ、紙パンツはMさん自身に下げてもらった
● Mさんが排泄時には、必ずカーテンの仕切りをして、終わるまでカーテンの外で待った
● 車椅子に平おむつを敷き、排泄が終わるとそのまま車椅子に座ってもらい、バスタオルを膝にかけて居室までMさんを誘導した
そして、人に服を触られるのを嫌がるため居室内でMさんに着衣をお任せした

普段は物忘れや睡眠障害などの認知症の症状を持つMさんですが、「恥じらい」などの感情は残っていました。
Mさん以外にも、女性の利用者さんは、排泄や入浴介助の際に、自分の体を職員に見られるのを嫌がる方が多かったです。

今回は、Mさんのプライバシーを重視する形で対応しました。
また、入浴の際も、最後の方に入っていただき、他の利用者の方と鉢合わせないような対応も行っていました。

その後のMさんのトイレ介助について

結局、職員の介護負担も大きかったため、入所者用のトイレでの排泄介助は行わないことになりました。
食堂などでMさんからトイレ誘導の要望があった際は、直接居室まで誘導し、ポータブルトイレでの自力の排泄を行ってもらうことにしました。

職員がMさんに「一人で排泄できますか?」と聞くと、「それが一番いい。部屋がいい、みんなのトイレは駄目だぁ」とMさんは話していました。
Mさんは居室では、膝をついた状態で自分で這ってポータブルトイレまで行くことができます。
万が一、トイレでの排泄に間に合わなかった際のために、紙パンツを使用してもらっていました。

紙パンツでMさんが排泄した際は、居室で替えの紙パンツを渡すと、自分で取り換えることができていました。
自分で出来る範囲は自力でやっていただいた方が体の残存機能が維持できるのでベストなのです。
ちなみに入所生活が長引くにつれ、Mさんと職員との間に信頼関係が出来てきた頃には、トイレ介助への抵抗もみられなくなっていました。

[参考記事]
「認知症高齢者の介護の実例「ゴミ箱をトイレと勘違い」

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