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認知症の母は雪の日の徘徊でケガし、脳内に出血が

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今回の記事は家で認知症の母親を介護している40代の女性に書いていただきました。

「認知症の母が幻覚で見える少女と話していてゾッとしました」の続きです。
…………………………..

警察官の訪問

母が認知症と診断されて3年がたった頃のことです。
家の中でうろうろすることはあっても、外で迷子になるようなことはなかったので徘徊に関してはそれほど心配していなかったのですが・・・
ある日、熟睡中に電話が鳴りました。
時間は早朝4時。
寝ぼけながら受話器を上げた途端、切れてしまいました。
もう一度かかってくるかと思ってしばらく待っていましたが電話は鳴らなかったので布団に入りなおした途端、玄関をノックする音が聞こえました。
慌てて玄関を開けようと思ったら鍵がかけられていません。
寝る前に鍵をかけ忘れたかな?
そう思いながら玄関を開けると、警察官が立っていました。
状況が呑み込めず呆然としてしていたら
「お母さんが血を流して歩いていたので保護しました」
と言われました。
しかし、母は部屋で寝ていると思っていた私には理解出来ませんでした。
「部屋を確認してもらえますか?」
警察官に言われて、そういえば玄関の鍵がかかっていなかったと思い出し、慌てて部屋を確認すると、電気がついていて布団は敷いてありますが母はいません。
部屋に母がいないことを告げると警察官もうなずいて
「救急車の中にいる方がお母さんかどうか確認してもらえますか?」
見ると家の横の道路に救急車が止まっていました。
サイレンは鳴らさずに来たようです。
救急車の中に入ってみると、ストレッチャーの上に横になっているのは正に母でした。
足元には血の付いたスリッパが1足置かれていました。
パジャマ姿でスリッパという格好で歩いていたそうです。
パジャマの上には何も羽織っていません。
その日は滅多に降らない雪がうっすらと地面に積もった日でした。
寝ぼけていたとしても、普通そんな恰好で外に出たら寒くて正気を取り戻しそうですが、気付かずに歩いて行ってしまったようです。
保護された場所は、家から歩いて20分ほどの場所でした。
顔から血を流して立っていて両手を広げて車を止めようとしていたらしいです。
通り過ぎた車の運転手さんが警察に連絡をしてくれて保護されました。

警察としては車の事故の可能性もあって聞き取りがしたかったのでしょうが、母がなぜ血を流しているのか覚えていなくて困った様子でした。
母は名前、住所は言えましたが、電話番号は覚えていなかったようです。
警察の人は「お母さんが言った住所から電話番号を調べて家に電話をかけたけど出なかったので、直接家に来ました」と言われました。
まさか外を徘徊するとは思ってもいなかったのでパジャマには名札をつけてもいませんでした。
母が住所を言えてよかった。

病院への搬送

病院に搬送することになって、改めて母を見ると、顔の左半分がぱんぱんに腫れて2倍ぐらいの大きさになっています。
病院につくまでの間、寒いとは言いましたが痛さは感じていないようでした。

体温は何度測っても低すぎて計測不能、低体温になっているようでした。
意識はあって私のことも分かりましたが、なぜ外にいたのか、どうやって怪我をしたのかは分かりませんでした。
転んだとは言いましたが、どこでどうやって転んだかも分かりません。

病院で検査をしたところ、頬骨の骨折、頭を強く打ったことで脳内に出血があるということで入院になりました。
2日ほどICUにいましたが、脳内の出血も少しずつ減っていたので一般病棟に移されましたが、ここでも夜中に病棟内を歩き回ってしまったらしく、ナースセンターの中にベッドを移されてしまいました。

数日経って落ち着いてきた頃に、どうして外を歩いていたのか聞いてみると、
「友達から電話が来て、久しぶりに遊びに来てというから行ってみた」
と言っていました(これは妄想で、実際には電話はありません)。
行こうとしていたという友達の家の場所を聞くと、保護された所の近くだったので納得しました。

ここからは想像ですが、夢の中で友達と電話で話して遊びに行く気になったところで目が覚め、夢と現実の区別がつかずに外にふらふらと出て行ってしまったのではないかと思うのです。
それまでも夢を見て、「(実際にはいないのですが)外で子供がいたづらをしている」と言って部屋の中を落ち着きなく歩き回ることはありましたので。

母は認知症と診断されましたが、昼間自由に出歩いて目的の場所まで行けていましたからまさか深夜に徘徊するなどとは全く想像が出来ませんでした。
でもある日突然、こういうことが起きるんだと身に染みてわかりました。
もっと私が注意していれば、怪我をさせることもなかったのにと反省しました。
そうは言っても24時間見張っているわけにもいきません。
私が眠っている間に外に出ていかないようにするためには、玄関の鍵を2重にするしかありませんでした。
母を軟禁しているようで心が痛かったのですが、また怪我をさせてしまうよりはマシではないかと自分に言い聞かせました。
よく、徘徊は何か目的があって行っているのですと聞きますが、私の母に当てはめると納得がいきますね。
母の場合には「(妄想上の)友達と電話で話していて、遊びに来てと言われたから出かけた」という目的がありました。
それが例え妄想上の目的でも、認知症の人にとっては現実なのです。

[参考記事]
認知症による捜索願は年間1万人。徘徊に気づいたら警察へ

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