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入浴介助中に暴力を振るう認知症の人に対する対応事例

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 週に2回利用されるアケミさん(76歳)はアルツハイマー型認知症のデイサービス利用者です。歩行も自立、食事も普通食、ただ、小食傾向です。

 大柄で、いつも大笑いし、周りを楽しませる事が好き。唄う事も大好きで、DVDを観ながら口ずさんでは一緒に歌います。知ってる曲が流れ出すと我先にとテレビの目の前に座り、周りの様子はお構いなしで陣とる傾向があります。日本舞踊も若い頃、習い事として先生に付いていたと言う事です。

 元気だった頃は、自動車販売の経営をしていた根っからの社長でした。毎回利用する度に女性職員に「男は金がある女をその気にさせてそのままポイよ!だから気をつけなさいよ」と話します。

入浴介助の時の声掛け

 アケミさんに対しての入浴での誘導では、「いつも受診されてる病院から体重を計って欲しいと言われいるので一緒にこちらに来て頂けたら助かりますが、協力してくれませんか?」と丁寧な声掛けで脱衣所にきてもらいます。

 日によっては朝から顔つきが悪い日があり、機嫌をよくした上で声掛けしないと怒りだしてしまう時が多々あります。そうなると「私、帰るわ!」と帰宅願望が出てきてしまい、さらには、周りの利用者さん達を巻き込んでしまう時があります。アケミさんが入浴される日はアケミさんが来所してきた時に不機嫌かどうか、顔を必ずチェックするようにしています。

脱衣所と浴室での職員に対する暴力

 脱衣所では、アケミさんの目の前に体重計を置いて、「体重計に乗るには、下着と着ている洋服を全部脱がないと正式に体重が計れないので脱いでもらっていいですか?」とアケミさんの承諾を得てから脱いでもらうようにしてます。

 ところが、アケミさんは脱ぐのを拒否し始めます。「何故、ここで私が全裸にならないといけないの?」と・・。そして、また、職員の声かけが始まるのです。そうこうしてるうちにもう一人の職員が駆け寄ってきて二人介助になります。そうなると暴れだし、職員に対してグーで頭を殴ったり、足で蹴ったりの行動が始まります。一人は受け身、一人は脱衣介助、そしていつの間にか全裸にされるというパターンです。「なんでこんなことをするの!!」と怒り出しますが、「さっき、説明したように体重を計りたいからですよ」と言っても記憶としては残ってない状態です。

 浴室へ入ってからも怒りは収まらず洗髪するにも怒り爆発です。一人は腕を掴み、一人は洗髪すると言う流れです。でも、大柄なので力も強いので振り回されてしまいます。グーパンチが飛んできては避けるという形です。

 家族の意向もあり何が何でも入浴介助が必要なので日々戦闘モードなのです。洗体が終わると落ち着くのか?本人から「浴槽に入ってもいいの?」と聞いてきます。「勿論、入っていいんですよ」と落ち着いて湯に浸かります。「気持ちいいわね~」と満足そうな顔します。「私って、めんどくさがり屋なのよね~」と話して、数分前の戦闘の事自体覚えてないのです。

今後の入浴介助に関する課題

 認知症になっても羞恥心は消えません。アケミさんの周りにアコーデオンカーテンを設置し、安心して服を脱衣してもらえるような配慮をし、時間をあまりかけずに職員一人体制での介助をすることになりました。

 また、浴室での声かけではアケミさんが好きな歌や日本舞踊のお話をし、一緒に歌を唄ったりと気を逸らすようにする形で介助するという結論に至りました。

 お風呂は気持ちがいい、リラックスできるスペースなんですよと理解してもらい、落ち着いて入浴してもらいたいと考えてます。

[参考記事]
「入浴拒否の元内科医の認知症入居者の対応には白衣を使用」

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