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新人介護職員による帰宅願望、異食行為、不潔行為に対する対応

 

 全くのど素人の私が初めて介護の仕事に就いたのは介護老人保健施設でした。認知棟、介護棟、デイサービス、グループホームがあり、私は「認知棟」で働く事になりました。認知症の程度は重い方ばかりでした。

 普段は普通に会話をするのに何かの拍子で突然怒り出したり、こちら側がいつものように付き添いをしてると「しなくていいよ」と手を振り払ったり、最初はどう対応したら良いのか分かりませんでした。

 先輩に相談したところ
「こうゆう時は遠くで見てる位で大丈夫。バランスを崩しそうになったら駆けつけて下さい。嫌がってるなと思ったら無理にくっつかなくて大丈夫です。そして、危険が及ぶ物を手の届くところに置かないこと」
と教えられました。

 確かに介護する側のペースでやっていると認知症の人達はどんどん不穏になられていくのが分かりました。

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先輩の教えを実行

 入所するまでは家族のために家事をこなしながら子育てをし、旦那さんのお世話もしてきた認知症の女性がいました。

 彼女には帰宅願望があり、夕方になると「そろそろ帰らないと子供が帰ってくる、お父さんのシャツにアイロンかけないと」と不安そうに出口を探しているのです。

 一緒に付いて回りながら
「今日は旦那さんからも子供さんからもお母さんをゆっくりさせてあげたいからここでお願いしますと頼まれてるから心配しないでゆっくりしていって下さい」
と話すと深々と頭を下げ
「そうですか、それじゃお世話になります」
と言われ落ち着かれます。

 でもこのようなやり取りが全く通じない方もいます。その時には気の済むまで棟内を回ってもらいドアを好きなだけ押してもらい、出口がないこと、鍵が開かないことを分かってもらいます。酷いですが諦めてもらいます。

 認知棟は介護棟とは違い至る所の出口には鍵がかかっており、まるでオリにでも入ってるかのようでした(もちろん、身体拘束になるので各部屋には鍵はしていません)。

 また、この女性は異食行為や不潔行為をすることもありました。紙を口に入れたり、おしぼりにかじりついていました。ですので、目の届くとこには物を置かない、おしぼりは食後にすぐに回収しました。

 オムツの中に手を入れ不潔行為もしていましたが、観察しているとそわそわするという前兆があることが分かりましたので、その時にはトイレ誘導やオムツの交換をしました。

 落ち着きがないときすぐにとりあえずトイレ誘導やオムツ交換をする事を決めて対応していると8割程は未然に防ぐ事ができました。

 認知症の方と向き合うのは根気がいりますがそれなりのケアが出来たらホッとします。新人ですが、これからもっと多くの経験を積んでより良いケアが出来るようになりたいです。

[参考記事]
「認知症による帰宅願望に対して有効な介護者による声かけ」

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