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なぜ認知症の人は暴力を振るうことがあるのか

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 介護者が認知症の人に暴力を振るうという話はニュースなどで取り上げられますので、知っている人も多いと思います。しかし、認知症の人が家や介護施設で介護者に対して暴力を振るってしまうことは話題になることはありません。

 アルツハイマー型認知症や脳血管性型認知症などの認知症は脳の変化が原因で起こりますので、健康な脳であれば自制できたものでも、本能に抑制をかけられなくなり、暴力などの問題行動が現れる場合もあります(しかし、暴力行為の全てが中核症状のために起こっているのかと言えばそうではなく、介護者の対応も影響しますので、ただ理由もなく、暴力を行なっているという訳でもありません)。

 例えば認知症の方の中には介護をする夫、妻、息子、娘の顔さえ忘れてしまっている人もいます。身内の顔も忘れてしまっているということは認知症の人にとってはその人は他人と同じです。その知らない人がタオルか何かを持って近づいてきたら、「私をそのタオルで殺そうとしているのか」などと思い込み、防衛本能で暴力を振るってしまうこともあります。一般の人だって、知らない人が物を持って笑いながら近づいて来たら、多少の恐さを感じますが、認知症の人はそれに対して極端な行動に出てしまうのが特徴です。

 ですので、介護する人が嫌いで暴力を振るっているわけではなく、自分を守るための防衛反応だと思ってください。

暴力に対する対策

 対策としては認知症の人の体に突然触って不安にさせることはせず、声をかけながら服を着させたり、脱がせたりを行ってください。もし、余りにも感情的になって危険を感じた場合は一端、その場から離れるという選択を行ってください。

 その他の暴力の理由としては相手が言ったことに過剰に反応してしまうことから起こります。例えば家族が認知症の人の「物盗られ妄想」の時に、「私が盗るわけないでしょ」と否定したりするとそれに対して感情的になって、暴力に繋がるケースもあります。一般の人でも感情的になることがありますが、認知症の人はそれよりも感情が表に出やすい状態にあります。

 また、足が痛いなどの体の不調から暴力や暴言が現れることもあり、注意深く原因を探っていくことが大切です。間違いないのは、理由もなく、暴力を振るっているわけではないということです。認知症による暴力を理由に親を精神病院に入院させてしまう家庭を私は知ってますが、それは仕方がないという諦めと、なんとも嫌な感情が後を引きます。

[参考記事]
「前頭側頭型認知症による暴力行為のある入居者への対応」

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