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認知症による徘徊、異食、幻覚の対応を祖父の在宅介護から学んだ

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 アルツハイマー型認知症のある祖父(70才)の話をします。祖母が亡くなってから、家に引きこもることが増え、近所の人との関わりもなくなりました。誰とも会話をしない、外に出ない、体を動かさない、という刺激のない生活を送っていた為か、症状は急激に進行してしまいました。

 認知症を発症してしばらくは、ほとんどソファに座り、つけたテレビを見るわけでもなく、ただぼーっと過ごしていることが多かったです。

 家族で話し合いをした結果、デイサービスを利用しながら、在宅介護を行うことに決めました。

祖父の症状

 祖父は、中核症状では判断力の低下や、記憶障害、見当識障害があり、周辺症状では異食、弄便、徘徊、暴言、暴力、幻覚の症状が見られました。

 これらの症状が起きるのがなぜかデイサービスから帰ってきた後です。帰宅した後の祖父は、毎回ものすごい興奮状態でした。

 自分の娘の名前を大声で叫び、「どうしても今伝えないといけないことがあるんだ!」「この家から出してくれ!」と言って玄関を飛び出してしまいます。

 また、食べ物でないものを食べようとする「異食」がありました。ある時、鉛筆を食べようとしていた時があったので、「それ鉛筆だから食べられないよ」と言ったところ、「チョコレートではないのか」と、鉛筆型のチョコレートと間違えていました。昔、そのようなチョコレートを食べた記憶がそのまま残っているのだと思います。

 その他にも布団を指差し、「お化けがいる!襲ってくる!」と幻覚を訴えることもあり、先ほども言いましたがこれら全てはデイサービスからの帰宅後が多かったように思います。

 家族も精神的、体力的に追い詰められていました。そのせいで、つい祖父に「何やってるの!?」「違うでしょ!?」などと強く言ってしまい、更に祖父を興奮させてしまうことも度々ありました。在宅介護の現実を突きつけられた思いがしました。

 認知症についての知識が浅い私たち家族は、どう対応したら良いのか分かりませんでしたので、本を読んだり、サイトをみたりと認知症や在宅介護の知識を得るのに多くの時間を割きました。

その後の祖父の変化

 玄関を飛び出し徘徊しようとしている祖父に対して、「出ちゃダメ!」などと言って、更に祖父を興奮させてしまうことがあったので、そこで、あえて何も声をかけず、危険な行動をとろうとしたときにすぐに対応できる距離から見守りました。すると家の周りを1周して帰宅するパターンが多くなり、興奮している様子もなく、穏やかに徘徊を終えることができるようになりました。

 しかし、家族は24時間、時間と心に余裕を持って、絶えず見守るということはできません。そこで、玄関や窓の鍵の位置を祖父の手が届かない場所にしたり、もし徘徊してしまったときの為に、持ち物や服に名前や住所を書いておいたりという対策を取りました。GPSも購入しましたが、持ち歩いてくれることが少なく、あまり使いませんでした。

 異食に関しては、消しゴムなどの食べ物に見える物は、祖父から見える場所には置かないようにしました。異食をするからにはお腹が空いているわけですので、何も周りにないことで祖父は「お腹が空いた!」と興奮してしまいました。そこで、デイサービスから帰宅後に冷蔵庫を開けるという習慣になっていたため、冷蔵庫の中、または冷蔵庫の前に、食べても良いお菓子などを置いておくと、それで満足していることが多かったです。大量に置いてしまうと全て食べてしまうため、少量ずつ置いておきました。

 幻覚などに関しては、祖父の世界に入り込むことで祖父の興奮を抑えることができました。「あそこにお化けがいる!」と布団を指差し怯えていたときには、「私がやっつけてあげる!じいじ、よく見ていてね。」と言い、やっつける仕草をしたあと、その布団を押し入れに入れました。

 すると祖父は安心したように「ありがとう。これでもう大丈夫だ。」と言いました。認知症の妄想は、否定してはいけません。その方の発言に共感し、その方の世界に入り込んで対応することが効果的だと、私は祖父と接する中で学びました。

 その方の性格や症状などによって、対応方法は変わってくると思いますが、共通して言えることは、認知症の方に寄り添うことが重要ということだと思います。自宅介護者は介護のプロではありません。しかし、私が今書いたことくらいはできるのではないでしょうか。

 その後、祖父は、心不全で他界しました。心不全になり入院するまでは、担当のケアマネジャーさんに相談し、様々な介護サービスを上手に利用しながら、祖父が望む「住み慣れた家での生活」を送ることができました。在宅介護で、悩んでいる家族は多いと思います。一人で抱え込まず、介護サービスを上手く利用してもらいたいです。

[参考記事]
「[認知症介護]自分の便を食べる異食行為に対する対策(実例)」

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