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入浴拒否をする認知症利用者に対して入浴率が高かった方法とは

 

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入浴拒否をする。利用者様に対しての対応について

 利用者の拒否の中でも排泄拒否に続く、私の中で2番目に大変なのは入浴拒否です。

 それは何故か?やはり利用者様の清潔を保たなくてはいけないという役割があるからです。特に介護老人保健施設では基本的には1週間での入浴回数は2回です。2回しかないのです。

 入浴に対して拒否があれば1週間、2週間、入浴しない事になります。私たち介護職員はどんな事があっても最低、週1回は入浴してもらいたいと考え、入浴拒否がある利用者に関してはどうすれば入ってもらえるのかを考えています。

 しかしながら、どんな対応をしても100%はありません。内容を変え、人を変え、あらゆるパターンで何とか入浴して頂いてます。

 入浴拒否の利用者の発言としてよくあるのが、「もう、昨日入った。」「入らないです。帰ってから入るので」「今は入りたくありません。後で入ります。」。

 さあ皆さんならどうしますか?私も認知棟で働き始めて初めてその状況になった時、本当に困りました。

 「認知症の人」という見方で「入らないです。帰ってから入るので」などの言葉を聞くと、困ったなとどうしよう?と思いますよね。しかし、「認知症がない人」と思ってこの言葉を聴くと、「そうですか。分かりました」となりませんか??

 ある認知症介護の研修に言った時にこういう言葉を言われました。

「認知症の人と見るのではなくて、一人の人間として向き合う」

 そうなんです。一人の人としてきちんと向き合うと、「もう、昨日入った。」と言われても、何もおかしいところはないんです。

 当然、だから入浴なんてしなくていい、、、なんて事にはなりません。一人の人として向き合うと間違った事は言っていないのは事実です。しかし、逆に捉えると、一人の人として見ると、入浴拒否をそのままにするのも間違った話です。清潔にしないことで身体的な症状が現れることがあるからです。「一人の人間として向き合う」とは相手のことを想う意識の問題なのです。

 ですので、この状況をいかにして相手を怒らすことなく入浴していただくかが私たち介護職員の大切な仕事です。

入浴拒否する利用者に対しての方法

 下記の方法は私の経験上、一番入浴率が高かったものを上げさせてもらいました。

入浴拒否①「入浴をしたくない」という理由の時
①「分かりました入浴はしなくていいです。でも服だけは着替えに行きましょう」と説明し誘導し入浴してもらう

※「入浴する気持ちになったと思われる理由」
→浴室に行くことでやはり入浴したいという気持ちになってきた。

②「今日、お昼から皮膚科に行って、先生の受診があるんです。だからお風呂に入りましょう。」と説明し入浴してもらう。

※「入浴する気持ちになったと思われる理由」
→言葉通り皮膚科に受診なら仕方がないという気持ちになった。

 補足として僕の経験上、「先生」という言葉に高齢者は強く反応し、納得して頂ける可能性は高いです。あくまでも私の経験上の話です。

③入浴の誘導のスタッフを変える。別のスタッフが誘導することで入る気持ちになる。

入浴拒否②「入浴はもうした」という理由の時
 入浴を既にしたという気持ちを変えるのは相当難しい。正直なところ、最善策はないです。粘り強く説得していくしかありません。

「そうだったんですか?でも下着だけでも替えに行きませんか?」とか、

「申しわけないんですが、夜お風呂場の点検があるので朝しか入れないんです。迷惑かけてすみません。」などと説得をしますが、説明する言葉はどうあれ絶対に気をつけなければならない事があります。それは相手を否定しないこと。

「まだ風呂は入っていません。入浴は朝しか無理なんです。わがまま言わないで下さい」なんて言葉は絶対に駄目です。それは「一人の人間として向き合う」ということができていないことになります

 どんな場面の認知症介護でもそうなんですが、相手の言う事はまず全て受け入れる。一緒に考えて悩んで、相手の気持ちを理解する。そして最善策を考える事が大切です。

 最後に認知症介護は全ての事に対して1人では出来ません。チーム力、スタッフとの連携が大切です。また家族様の協力も不可欠です。利用者様の性格やこれまで送ってきた人生、趣味などを家族から聞くのです。家族も含めチームになり利用者にとって最善と思われるケアをする事が必要だと私は考えます。

[参考記事]
「入浴拒否の強い認知症利用者への対応に映画を利用」

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