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レビー小体型認知症による妄想や幻覚に対する対応

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施設入所までの流れ

80代女性のT様はレビー小体型認知症によるパーキンソン症状があり、歩行はやや不安定、ご主人と二人ご自宅で生活されていました。
パーキンソン症状になると筋肉が硬直し、歩くことも大変になります。
そのためか、外を徘徊しているときに転倒して硬膜下血腫になったこともありました。
さらには認知症の周辺症状に対する介護の負担も徐々に大きくなっていき、その苛立ちからご主人の虐待を疑われ、施設へ措置入所となりました(参考記事「認知症の周辺症状から起こる徘徊や暴力への対応の仕方(実例)」)。

入所してからの様子

入所当初は虐待による人間不振によって警戒心が強く、食事と排泄の介助には応じるものの、それ以外の介助は拒むことが多く、対応に苦慮していました。
こちらから積極的に関わろうとすると嫌がられるため、少し距離をおき、ご本人のペースで自由に過ごしていただくようにしたところ、日中は少しずつ警戒心が解け、穏やかに過ごされるようになっていました。

別に暮らしていた娘さんが面会に来られると、施設では見せないような笑顔で喜ばれることもありました。

夕方から夜間にかけては幻覚、妄想が見られるといったレビー小体型認知症特有の症状がありました。
日中は落ち着いていても、夜間は不眠でフロアを歩き回られたりトイレにとじ込もって出てこなくなったりといった生活をされていました。
歩行が不安定なため夜勤の職員は目を離すことができず、夜勤中ほぼ見守りをする必要がありました。

夜間の妄想がひどくなってくる

入所してしばらく経った頃からは妄想が徐々に酷くなっていきました。
夜中にT様は「部屋からガス漏れしている、火事になる」 と言って鼻にティッシュを詰めたり、部屋の水道水を手ですくって床に撒いたりといった行動がみらるようになり、その都度職員が説得するという対応を行っていました。

また、幻覚によって「外から男の人が覗いている」と言って部屋のトイレに閉じこもることもありました。
何日かそういった行動が見られ夜勤の職員の負担が大きくなってきたため、多職種で集まり対応を検討することになりました。

対応策を多職種で検討する

なぜそのような行動をするのか入所してからの生活やケアを、多職種で集まり一つ一つ振り返りました。
いろいろな意見が出た中、夜間T様の隣のベッドの方の排泄介助に入ったあとの消臭スプレーの音や匂いが「ガス漏れ」という妄想につながっているのではないかということになり、その日から消臭スプレーの使用を止めることになりました。
消臭スプレーを止めたことによりガス漏れや火事といって騒ぐことがなくなり、夜間の睡眠も少しずつとれるようになってきました。
またトイレに閉じこもることに対しては、夜間は必ずカーテンを閉めるようにし「外からは見られませんよ」と本人にも伝え安心感をもってもらうことにより、少しずつ幻覚症状もなくなり閉じこもることは減ってきました。
完全になくなった訳ではないので、引き続き原因を探りながらケアを行っています。

周辺症状(問題行動)を単に認知症だから仕方ないととらえるのではなく、なぜそのような行動をするのかを一歩踏み込んでアセスメントすることにより、その原因が見えてくることがあります。
職員にとっては当たり前の行動が、認知症のご利用者にとっては周辺症状のきっかけになる可能性があるということを認識し、常に振り返りながらケアをすることが大事だと気付かされました。
多くの職員の目線で関わることにより原因を探ることで解決の方法が見えてくるのではないでしょうか。

[参考記事]
「レビー小体型認知症ってどんな症状があるの?」

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