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認知症を原因とする暴言・暴力行為を防ぐために行なった対応

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暴力行為のあるTさん(62歳 女性)は、産まれた時から体に障害がありました。
両親は、障害があったTさんよりも2歳年下の妹を可愛がり、5歳頃からTさんは救護施設に入り、両親はあまり面会には来ないという複雑な家族環境で育ちました。
以前は、体に障害があっただけでしたので、救護施設から作業所に通うなどしておられました。
この救護施設でも、暴力や暴言行為が原因で退所になり、家族の希望もあり現在の施設に入所となりました。
入所して、すぐに体調を崩され入院となりました。
退院して元の施設に帰ってきましたが、入院した事で少しずつ認知症も進んできました。
認知症が進んできたのと同時に、Tさんの暴言.暴力行為も酷くなってきました。

Tさんの暴言.暴力行為の内容

利用者様、職員関わらず叩いたり、引っ掻いたり、車椅子ごと突進してぶつかってくる。
「バカ」「アホ」「あんたなんか嫌いや」「出て行け」「死んでしまえ」など明らかに言ってはいけない暴言です。
Tさんのこれまでの人生を考えると可哀そうやら、でも暴言をほおっておくわけにはいかないという複雑な心境でした。

暴言、暴力行為があった時の対処方法

1.Tさんの暴言、暴力行為が有った時、必ず職員が入り、当事者と個別に話をします。
話を聞くことで、「何故そのような事を言ってしまったのか」、「その言葉を言われた時、自分ならどんな思いをするか」、「相手に何をしたのか」など、一つ一つの行動が正しかったのかを、本人に考えてもらうようにしました。
その後に、相手の方にも話を聞き、その上で職員が必ず間に入り、両者で話し合いをしています。

また、暴力行為が有った時は必ず興奮しておられるので、興奮が収まるまで時間を置き、落ち着いてから話し合いをするようにしています。
職員に暴力行為が有った場合は、直属の上司に報告し、上司・施設長・本人とで話しあいをし、今後の対応を考えるようにしています。

2.関わり方を変える。
・Tさんは、自尊心の高い方なので、職員全員が同じ関わり方をするように統一しました。
介助をする時に、声かけなしで介助に入ると、いきなり体を触られた事で、暴力行為につながるので、目線を合わせて丁寧に接することにしました。

・暴力、暴言行為があった要因を職員全員で考えた。
暴言、暴力行為が有った場合は、「自分の事を分かってくれている」と思っている職員や、担当職員には自分の思いをぶつけられる為、普段から不満や思いを聞ける時間を設けました。
今までは、聞き取り回数は月2回であったが、週1回に変更し時間も30分から1時間に増やしました。
担当職員にも、負担にならない様に、本人が思いを伝えられる職員が何名かいるので、その職員もフォローに入れるようにしました。

3.病気を理解する。病気を理解できる力をつける。
以前、職場研修の講師でこられていた先生に相談したところ、暴言・暴力の出る要因が病気から出ていることもあるので、要因を考えて環境を整えていったほうが良いとのアドバイスをいただきました。
病気によって出ている場合は、どれだけ話を聞いても興奮される一方なので、時間を置くだけでなく、話し方が大事とのこと。
病気からではなく、暴言.暴力行為がある時は、気を引こうとわざとしている事がある。
その時は、本人をしっかり怒る事が大事と教えて頂きました。

Tさんとの関わりから

色々な方法でのTさんからの関わりから、以前に比べると少しずつではあるが、暴力・暴言行為は、減ってきたように思います。
今後も、継続してTさんと関わっていくことで、暴言・暴力行為が減っていくように全員で関わって行きたいと思います。

[参考記事]
「認知症による暴力行為には理由がある(A子さんのケース)」

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