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認知症による徘徊で転んで頭から血。腰の骨にヒビも

 

この記事は家で祖母の介護をしている女性に書いていただきました。

………..

 認知症の症状は日によって、もっと言えば時間単位で変わります。一番困ったのは徘徊です。目を離した隙に出て行くので気が気でなかったです。祖母の場合は、徘徊癖が付いても行き先は以前住んでた家に行くので、まだ探しようがありました。しかし、昼夜構わず出て行くので、私は夜は玄関が見えるリビングで寝て、玄関ドアには鈴を付けて、いつでも気づくようにしていました。

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徘徊で血だらけに

 しかし、ある夜、私がお風呂に入った隙に犬の散歩に行ってしまいました。犬の散歩に行けないようにリードも隠して置いたのですが、ビニール紐をリード代わりにして出て行ったのです。変な所で臨機応変に対処するので、ある意味関心していました。

 案の定事件が起こりました。探しに行くと、頭から血を流し、座り込んでいるではないですか。祖母が自分で転んだのですが、「誰かに襲われたから警察を呼んで」と言うのです。しかし救急車を呼んでくれた人が転んだのを見ていたので、警察を呼ぶことなく、大事にならず済みました。

 そして、救急車で病院に行ったのですが、医師からは「腰の骨にヒビが入り、もしかしたら痛くて寝たきりになるかも」と言われ、それなら入院をお願いすると、「認知症の人が問題を起こすと困るから無理です」と言われました。

怪我の後に認知症が進行

 家に帰ってきてから最初は痛いので寝ていたのですが、そのうちに転んだのも忘れ、「年かね。腰が痛いのは」と言って、また犬の散歩をしようとしました。しかし、痛い時もあるようで、今度は寝ている事が多くなりました。それからは、一気に認知症の症状が進行しました。

 食べても食べてもお腹がいっぱいにならないようで、お供えしてある5個入りのどら焼きを全部食べ、買い置きした大福やお菓子も食べ、まだ食べ足らず、炊飯器のご飯3合分を完食。夜の食事は祖父母の方が早く、私は後から食べるのですが、その時「私のご飯はないのか食べてないよ」と言い張るので、少し出すと「量が少ない、残すのは勿体ない」と残り物全て食べるのです。

 そのため食べ物は全て隠していたのですが、なぜだか大量のお菓子のゴミがありました。しかし、外に出た形跡はなく、お金も持たせてないので不思議に思っていました。近くに電話注文で配達してくれるお店があり、そこでツケで買っていたのです。お店の人も徐々におかしいと思ったようで、私に言ってくれて発覚。

 先ほどの犬のリードをビニール紐で作ったこともそうですが、本当に変な所で頭が回るので、ビックリでした。お店の人に頼んで、配達できないと断ってもらうと、「孫がご飯食べさせてくれないの。私ガリガリなの」と同情を引く始末(ガリガリではなく、むしろ太ってましたけど)。

 やることなすことハチャメチャなのに、自分のやりたい事は、知恵がわくようで、ここまで来ると精神的に参り、イライラと言うより無気力になり、「もう勝手にすれば」と投げやりになってしまいました。こっちが必死になっても悪者扱い、感謝されることもなく、ただただ介護をする日々に嫌気がさしていました。これが介護する人の現実、綺麗事は通用しません。

[参考記事]
「認知症により食品の区別がつかない祖母。イカと大根を間違える」

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