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物盗られ妄想の認知症高齢者の実例。ヘルパーに疑いをかける

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これまでの経緯

Oさんは70歳代の女性、台所でのガスの消し忘れや先ほどまで使っていた物の置き場所を忘れてしまうといった、記憶障害がある認知症の高齢者です。
記憶障害がある以外は、自宅に限っては身の回りのことや回覧板の回覧など、Oさん自身で行える状況です。
以前は夜勤のある工場へ勤務する40代の長男と2人暮らしでしたが、現在、長男は勤務する工場の社宅へ入寮してしまったため、1人暮らしとなっています。以前は夜勤のある工場へ勤務する40代の長男と2人暮らしでしたが、現在、長男は勤務する工場の社宅へ入寮してしまったため、1人暮らしとなっています。
長男は、この独居となる間、火の消し忘れなどによる大事へ至ることを危惧し、訪問介護サービスによる生活支援サービスを依頼し、利用することになりました。
また、このサービスだけでは、一人でいる時間が長くなりすぎるため、車で30分程度離れた場所に住む二男夫婦の協力を得て、Oさんを支える体制が作られていました。

指輪を盗まれたという訴え

Oさんを支える支援体制の1つであるホームヘルパーが訪問し、Oさんとの共同作業で食事の準備をし、おいしく召し上がってもらっていた時、OさんがホームヘルパーのAさんに、「指輪が見当たらないわ」という発言をしました。
認知症の周辺症状である「物盗られ妄想」です。

ヘルパーのAさんは、Oさんが普段から指輪をつけていることは承知していましたが、調理中にOさんが指輪をしていたか否かは気にしておらず、確かなことが言えなかったため、食事を途中にして2人で茶箪笥や流し台、Oさんのお部屋、居間など隈なく探しましたが見当たりませんでした。
ヘルパーのAさんは次の訪問へ行く必要があったため、その旨をOさんへ伝え、また、介護の記録としてそのことを記し、その場を離れました。

次の日もホームヘルパーのAさんがOさんを支援する当番の日です。
Oさんの自宅へ着くとすぐにヘルパーのAさんは「指輪ありましたか?」と問うと、Oさんは直ぐに「誰かに盗まれたみたい」と表情を強張らせて答えたそうです。
ヘルパーのAさんは、自分が疑われているのではないかと思ったらしく、昨日と同じく調理をしながらOさんの指輪探しを継続しました。
その時、Oさんの二男夫婦がOさん宅へ訪ねてきて、「お母さんから昨夜指輪を盗まれた」という電話連絡があったので、心配になり訪ねてきた次第という状況になり、Oさんを含め、4人で指輪探しが開始されました。
その中で、OさんはAさんの仕事用のバッグの中身までも確認したそうです。
この結末は、茶箪笥にある来客用の湯飲みの中から指輪を見つけたことにより解決となりましたが、一時的に疑いをかけられたヘルパーのAさんには耐え難い経験となりました。

物盗られ妄想の対応策として

その後、Aさんを含むヘルパーチームは、Oさん宅に限らず、ヘルパーが持ち歩く仕事用のバッグはもちろん、プライベート用のものも含め、
〇必要最低限の大きさとすること
〇バッグは訪問先の玄関に置くこと
〇決して利用者の部屋や居間などへ持ち込まないこと
を徹底し、いらぬ疑いをかけられぬよう工夫しました。

また、高額な指輪や時計といった奢侈品については、認知症のある高齢者が自らにおいて管理できない場合に限り、
〇介護者がいる場合、介護者に保管をお願いすること
〇独居暮らしの方に関しては、普段からチーム全体で着用の有無など気にすること
を徹底しました。
以降、Oさんを含め、ヘルパーに盗人の疑いをかけられることはなくなりました。

[参考記事]
「認知症による物盗られ妄想には原因があった(実例)」

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