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ロビン・ウィリアムズも患ったレビー小体型認知症の特徴は?誤診に注意

 

 認知症と聞いて真っ先に思い浮かべるのは「アルツハイマー型認知症」ではないでしょうか。その他には、脳血管型認知症も聞いたことがあるのではないでしょうか。脳血管型認知症はアルツハイマー型認知症との混合型も多いと言われています。

 レビー小体型認知症という認知症はアルツハイマー型認知症の1/3程度の患者数ですが、脳血管型認知症よりも患者数が多いと言われており、アルツハイマー型認知症に次いで多いありふれた病気なのです。

 ここではこのレビー小体型認知症についてお話ししたいと思います。

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レビー小体型認知症とは

 レビー小体とはタンパク質のことですが、これが大脳皮質や脳幹などに集まってしまうと、そこの神経細胞が壊れてしまいます。そのため神経の伝達がうまくいかなくなり認知症の症状が現れるのです。

 アルツハイマー型認知症は、多くの場合軽い記憶障害から始まることが多いとされていますが、レビー小体型認知症は、記憶障害が発症する前に多くの身体的障害が発症し、女性よりも男性に多く発症すると言われています。

レビー小体型認知症の特徴は?

 レビー小体型認知症にはいくつかの特徴があります。アルツハイマー型認知症と区別する基準にもなりますので、以下で説明するような症状が現れたら、レビー小体型認知症の疑いがあります。

1、 幻視や幻覚

 認知症というと、物忘れが代表的な症状だと思いますよね。しかし、レビー小体型認知症は物忘れよりも顕著に「幻視」が現れます。

 幻視とは、「死んだはずのペットがいる」「遠くに住んでいると孫がいる」「虫がいる」など実際にはいないものが見える症状のことを言います。壁に向かって話しかけている場合などは、幻視の症状である可能性があります。

2、 パーキンソン症状

 パーキンソン症状とは、パーキンソン病の特徴である、体の一部が震える、歩くことが困難になる、筋肉が硬くなるなどの症状が現れることです。何もしていないのに手が震えたり、歩き方が小刻みになったり、表情がなくなったりします。

3、 自律神経症状

 起立性低血圧や消化管運動障害、排尿障害、発汗障害などが現れます。これもアルツハイマー型認知症には見られない症状です。

4、 レム睡眠行動障害

 レム睡眠行動障害とは、脳が覚醒している「レム睡眠」の間に起こる異常行動です。寝ている間に大声を出したり暴れたりします。

 アルツハイマー型認知症にも稀に見られますが、レビー小体型認知症の場合は早期の段階から見られます。

5、 認知機能の変動が大きい

 機嫌のいい時と悪い時の差も激しく、普通に会話できる時もあればそっけない態度の場合もあります。

 また、自分の置かれている状況がわかっている場合もあれば、今どこにいて何をしているのかを理解していないこともあるため、介護者が混乱してしまうこともあります。

レビー小体型認知症の進行

 レビー小体型認知症は、昨日できていたことが今日はできないが、明日になるとまた出来る…のように、1日1日症状が違います。このような状態を繰り返しながら進行して行きます。

 また、アルツハイマー型認知症や脳血管型認知症に比べて、進行が早いと言われています。初期から後期までの経過が約10年と言われており、平均余命が短いのが特徴です。

後期まで気がつかないこともある

 レビー小体型認知症は初期の段階では記憶障害が見られない場合も多いため、見過ごされてさしまうことも多いです。また、MRIやCTなどの画像診断でも脳の萎縮が見られないケースもありますので、ますます分かりにくいのです。

 このため、中期以降でやっとレビー小体型認知症と診断されるケースも少なくないと言われています。

幻視への対応

 レビー小体型認知症の方は、幻視が現れる方が多いとお話しましたが、この場合は決して否定してはいけません。「そんなのいない」「見えない」などと言うことはやめましょう。

 あなたには見えていなくても、相手には見えているのです。ですから、気持ちに共感し「そうですね」「それは怖かったですね」「私が追い払っておきますね」などと、相手の気持ちになって考えることが重要です。

パーキンソン症状への対応

 パーキンソン症状があると、動作が緩慢になったり、手が小刻みに震えたりして、全体的に行動が遅くなります。このような場合は、相手のペースに合わせることが大切です。急がせてしまうと、転倒して怪我をしてしまう可能性がありますので注意しましょう。

 また、可能であればリハビリを行うことを勧めてみましょう。思うように動かずに塞ぎがちになる場合もありますが、それではもっと動けなくなってしまいます。

まとめ

 レビー小体型認知症は誤診が多く発見が遅くなる場合があることも事実です。

 俳優のロビン・ウィリアムズさんは、うつ病とパーキンソン病との診断だったようですが、亡くなってからレビー小体型認知症だということが分かったそうです。

 診断を受け治療をしても改善が見られない場合は、もしかしたらレビー小体型認知症かもしれません。不安や疑問のあるときは、セカンドオピニオンを受けることもお勧めします。

[参考記事]
認知症の幻視に対する対応の成功例と失敗例。「小人がたくさんいる」

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