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認知症により買い物をし過ぎてしまう事の原因と対策

 

 私の祖母は、4年程前から認知症にかかりました。祖父が亡くなってからは、祖母が1人暮らしとなりました。もともと家事や自炊をするタイプではなかったので、毎日テレビを見る事だけが生活の中心だったのだろうと思います。

 祖母1人での生活が難しくなったので、週に2回程、孫である私が祖母を介護しています。介護をし始めてからの一番の悩みは想像を絶する程のお買いものをする事です。どうしてこのようになってしまったのか。原因を考えていきたいと思います。

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原因1 家にある物が把握できていない

 祖母の家は倉庫のように物だらけです。その中でも、ダブっているものが沢山あります。例えば、掃除機が6~7台ある事です。

 祖母はもともと、壊れている物でも捨てられないタイプなので、家にある大半の掃除機が凄く古く、使えない物なのかな?と私は思っていました。ところが、そうではありませんでした。

 ある時、祖母がこう言いました。

「私は戦争を生き延びた人間だからね、物は大事にするのよ。だから、必要最低限の物しか買ったことが無いわ。」

 私は思わず真に受けてしまい「必要最低限?掃除機7台もあるのに。」と言いました。すると祖母は、「そんなにある訳ないじゃない。掃除機なんか1台も無いわよ。」と言いました。家には1つも掃除機がないと思って、買ってしまい、増えていったのだという事が分かりました。

原因2 お人好しな祖母の人柄

 祖母の性格上、身内以外である他人には、イイ顔をしたがります。要するに外面がとても良いです。その為、家にかかってくる勧誘・セールスの電話、訪問販売、家に届くチラシなども、次々と購入してしまいます。購入したものの、本人は何も覚えていません。

原因3 1人暮らしの寂しさ

 最近気づいた事があります。祖母の家の固定電話や、携帯電話の発信履歴を見ると、0120~から始まる番号が沢山出てきます。
これは、誰かに直接セールスされた物だけでなく、自分から注文もしているという事です。

 ところが、私が一緒にいる間は、0120番の電話を自分から掛けた事がありません。これは何を意味しているのか、考えました。

 祖母はよく、「1人は寂しい」と言います。それを言われた私は、「いつでも電話掛けてくれていいよ。」と言いますが、祖母は「だって、〇〇ちゃん(私)は、お仕事忙しいでしょ。迷惑になっちゃうわ。〇〇ちゃん(私の母)だって、旦那さんがいるし、家事が大変でしょ?私のお友達も、家族が一緒に住んでるから、…みんな忙しいのよ。」と言いました。
 
 身内や知り合いに電話を掛けたら、迷惑になってしまう。と考える祖母は、ただ単純に「誰かとお話ししたい」から0120~番へ電話を掛けていて、物を買う事自体は二の次で、買っている意識もあまり無いのかも知れません。

想像を絶する程の買いものをする事への対策

対策1 家にある物が把握する
 認知症の祖母に家にある物を覚えてもらう事も出来ないので、孫である私や家族が祖母の家にある物を把握するようにしています。

 祖母が新たに同じものを買ってしまったら、購入先へお断りの電話をし、返品をしています。また購入先の会社へ、祖母が認知症であるという旨をお伝えし、家族を通してから購入をするようにしてもらっています。
 
対策2 お人好しな祖母の人柄
 「セールスされた物を何でも買わないで!」と祖母に言っても、お人好しで、しかも認知症である本人に言っても意味がありません。ですので、電話に録音機を付ける事や玄関に防犯カメラを設置しています。

 録音機や、防犯カメラの記録を見れば、いつ何を買ったのかが分かります。これがある事で、購入した品物が家に届く前に、物を購入したという事を知ることができ、商品が発送される前にお断りの電話ができます。

 購入先の会社によっては、発送後の返品不可と言われる事や、返品の際の送料自己負担となる事があるので、事前に防ぐ事ができると非常に助かります。
 
対策3 1人暮らしの寂しさ
 誰かと話がしたいから、0120番に掛けているのかもという考えに至った時は、胸が苦しくなりました。今までは、会えない日はなるべく1日に1回は電話をしてあげようと思い実行していました。しかし祖母は、私と電話をしてもすぐに忘れてしまうし、寂しい気持ちは24時間ずっと続きます。
 
 私なりに考えた、祖母の感じる寂しさへの対策は、お手紙を家に置いてくる事がいいかと考えました。祖母は記憶が持ちません。なので「手紙がある」という事に気づく度に、何度でも読んでくれると思います。こうする事で、お手紙を読んでいる間だけでも、寂しさは薄れると思います。

[参考記事]
「認知症による買い物依存症の現状。訪問するたびに増えている食材」

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