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認知症の人の帰宅願望にどう対応しているの?

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帰宅願望は記憶障害や見当識障害(中核症状。時間や場所が分からなくなる症状)の側面もありますが、介護者の認知症の人への対応によって起こる周辺症状とも言えます。

つまり、今自分がいる場所が家なのか、介護施設なのか区別ができずに帰ろうとする行為は「脳の機能障害のせいである」とも言えますが、「家や介護施設の居心地が悪い」ことによる逃避の意味もあります。

帰宅願望がある事は変な事ではないという事

帰宅願望に対して対応する時の大前提として、「帰宅願望があるのは当然である」を念頭に置いてください。
これは、認知症の人の訴えを「白い状態で受け止める為」で、この前提が無いと、「あなたは介護施設(もしくは家)に住んでいるので、帰る場所はここです」という対応を何の疑問も持たずに行ってしまいがちだからです。

相手の場面に合わせる

帰宅願望が出てしまった場合は、認知症の人が「今どの時間を生きているのか」を探ります。
「おとうさん(夫を指しています)のご飯を作りに帰らないと」
「仕事が終わったので帰らないと(職場で働いていると勘違いして)」
というのが訴えとして多いです。

「ご飯を作る・仕事に行く」というのはいずれも、自分に役割が有って、それにより必要とされている実感があった頃(本人が活き活きとしていた時代)の癖です。
認知症の人の帰宅願望は、「〇〇だから家に帰る」という訴えの中の〇〇の部分にヒントがあり、帰りたい先は家ではなく、戻りたい時代を指している事が多いです。
なので、本人を家に連れ帰っても納得しないケースもあります。
私はご家族の協力を得て、実際に長年住まれ育った家に連れて行った事があります。
この時認知症の人が見せた反応は
「違う。ここじゃない。私の家に連れて行ってよ」
というもので、ご家族も「昔、ここに住んでいたんだよ」と話しましたが納得しませんでした。
帰宅願望の対策として「近所を少し歩いてから、家に帰る」「話しを違う話題に変える」などを行なって効果があるケースもありますが、それよりも「おとうさん(夫を指しています)のご飯を作りに帰らないと」などという言動があった場合にはその時の話をよく聞いてあげてください。
そうすることで居心地の悪さ(孤独感)が無くなり、帰宅願望の解消に繋がります。
小手先の解決法を行なっても、また繰り返すことが多いので、「よく話を聞いてあげる」などの介護者の対応を改善した方が確実です。

また、注意事項として言っておきたいのが、家に帰りたいと言っても「ここがあなたの居場所ですよ」と否定しないようにしてください。
否定をすると怒りを爆発させたりしますので、対応が難しくなります。

帰宅願望がある認知症の人をケアする介護者に考えてもらいたい事と防ぎ方

私は先ほど帰宅願望がある認知症の方を家に連れて行ったと言いましたが、これは帰宅願望が治まる事を期待していたわけではありません。
その人の訴えに対して、「帰れません」という返答があまりにも残酷に思えて出来なかったのです(実際に帰宅願望がある認知症の方には「帰れません」とは言ってはいけません)。

帰宅願望の裏には
「居心地が悪い、或いは仲の良い人が居ない(孤独感)」
「安全の意味も含め、ここにいていいのか(不安感)」
「周りがバタバタしている(焦燥感)」
等があります。
この状態(特に孤独感のケース)を自分に置き換えて考えてみて下さい。
それでも、「帰れません」と言えますか?
もし自分がこの状態で帰れませんと言われれば、どう思いますか?
私だったら何とかしようと暴れてでも逃げたいと思います。
だって怖いですから。
しかし、認知症の理解が無い人には、「帰宅願望があり、声掛けをすると暴力行為と徘徊が増す」と映ります。
ですので、介護者が行なうことは

〇認知症の方との関係性を深め、居心地が良い居場所を作ること

〇適切なタイミングで、「ここに居ても良い」と安心してもらえる声掛け
です。
そうすることで、帰宅願望の根本的な理由が無くなり、帰宅願望の発現が収まるケースも多々あります。

稀に自分の家だと認識して納得される方もいるので、帰りたい訴えがあれば連れて行ってあげて下さい(介護施設にお世話になっている場合)。

[参考記事]
「認知症の帰宅願望に対する対応(グループホームでの実例)」

「認知症の入居者の帰宅願望が意外なきっかけで軽減された実例」

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