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[認知症介護]夜中に徘徊と奇声を発する理由は過去のトラウマ

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施設でも、自宅で介護をされている方でも、「夜になると徘徊を始めたり、奇声をあげる」ということは、珍しくないお話です。
施設内にて、このような行動をとる入所者への対応として、実話である1例を紹介します。

日中は穏やか、夜中になると不穏に

Aさん(男性、70代後半)は、認知症を患っており、老人ホームに入所しています。肢体に大きな不自由はなく、歩行も自立可能で、ゆっくりではありますが、自分の望むところへ自由に歩き回れます。
会話は、受答えが時々できるといった様子です。
Aさんは、日中はいつも3~5名ほどで、テレビのあるコーナーでソファに座りテレビを観て過ごすのが日課です。
テレビを観たり、一緒に座っている入所者さんと、会話をしているというわけではなく(時々はしていますが)その空間で過ごしているという感じでした。

日中はそんな様子で静かに過ごしていますが、夜になると徘徊をはじめるのです。
それに加え、「あー!」「あけろー!」など、大きな声で奇声を発します。
他の部屋にも自由に入って行くので、もちろんこの行動に反応する入所者さんもいます。
「うるさい!」と言われたり、どうにかしてくれと、スタッフを呼ぶ方もいます。
夜はこんな日が多くあるので、Aさんも日中ソファに座りながら、うたた寝をしている事もよくありました。

不安の要素は暗さ

昼間の活動を増やし、夜は疲れて眠るようにとの検討は何度もされました。
レクリエーションには積極的に参加できるように促す、散歩、壁につける装飾の工作、花への水やりなど…。
これに対しての拒否もあり、日中上手く活動できた日でも、「夜眠る」という絶対的な効果はありませんでした。
そんなある日、夜中にまたAさんが大きな声を出し始めました。
スタッフが向かうと、Aさんはまだ自分の部屋にいて、あたりを見回すようにうろうろしていました。
そしてスタッフが声をかけ、部屋の電気をつけました。
するとAさんは、表情が穏やかになり、自らベッドに入り横になったのです。
スタッフは、電気をつけたままにしておくことにしました(幸い、個室ということもあり、電気をつけていても他の入所者の迷惑にはならなかったので)。
それから大きな声も出さず、徘徊もせず朝まで眠りました。
そんな事があり、Aさんの部屋は就寝時間になっても、電気は暗くしない事にしてみました。
すると、めったに徘徊等せずに、静かにベッドで休むことができるようになりました。

過去のトラウマ

時々、面会に来る家族も、Aさんが夜中に動きまわり大きな声を出す事を、いつも心配していました。
面会に来た家族に、この出来事を伝えました。驚いたのと、安心した様子でした。
そして「そういえば…」と話し出し「おじいちゃん、小さいころに何か悪いことをすると、親に納屋に閉じ込められて、暗くて怖いと泣いていたって話を聞いた事がある」という事でした。
それは幼少期の出来事で、その後大人になってからは、もちろん夜には電気を消して寝ていたそうですが、今になり、過去のトラウマが現れたと考えられました。

まとめ

「就寝時間には、部屋を暗くし眠りに入りやすくする」というお話は、常識のように世間一般で聞かれます。
それでもAさんのような例もあり、何事も「絶対」は無いと考えさせられました。
また、歳をとると赤ちゃんに戻るという話を聞いた事があります。
戻るわけはありませんが、認知症になり、突然小さいころのトラウマが出現することはあるものです。
Aさんの徘徊や大きな声を出すのは、暗い事への恐怖からだと思われます。
Aさんにとって徘徊は暗いところから出て、明るい場所へ向かうという目的があって移動していただけとも考えられます。
徘徊や問題行動をとる認知症患者さんの過去などを、少しでも知っておけば、少しのきっかけで改善できる事もあるという実例でした。

[参考記事]
「認知症による徘徊と見当識障害のある女性に対する対応」

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