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認知症による徘徊を防ぐためには興味の対象を探すこと

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アルツハイマー認知症の60代のY様(男性)は、自宅にて奥様、娘様と3人家族で過ごされています。
結婚後、2度の脳梗塞を患い自宅療養を長期間送っており、再発すると命の保証はないと医者から通達を受けています。

このような条件の元、デーサービス(特養併設型)の利用を週3回でスタートします。
私たちは、実際にアルツハイマー認知症のレベルがどの程度なのか把握できないままサービス提供を始めます。

【もう帰る、家族が迎えに来るから帰る】

初回、施設を利用して30分と経たないうちに徘徊し始め、施設内をうろうろしました。
この現象は、いきなり施設に来ることで大勢の知らない方と出会い、緊張のあげく落ち着きがなくなる場合によくあることです。
そのため、スタッフ及び施設関係者は優しく声掛け(興味を他に逸らす)を行い、早く施設に慣れてもらう努力を行いました。

しかし、日に日に改善されることはなく、「家族が迎えにくるから帰る」という言動は強くなるばかりでした。
スタッフの眼を盗んで窓の扉を開けて出ようとしたり、トイレに行った後、玄関に歩いて行きガラス扉を強く叩きながら「迎えに来てるから開けろ」などの大声を出すこともありました。
しっかりと時間をかけて会話をし、一緒に施設内をY様の動きに合わせ歩き、疲れたらいい加減休むだろうと思い込んでいましたが、途中、椅子に座って水分補給し終わると、直ぐ歩き出す日々でした。
Y様の担当はほとんどが男性スタッフでした。
女性スタッフが近寄ると殴られたり、突き飛ばされたりすることがあり、声掛けは全員でするものの、男性スタッフに担当をお願いしていました。

【他に興味のあるものを探す】

決め手となる介護をできないまま、私たちは「Y様の興味のあるものは何か」を日々、探しながら試みました。
家族からのヒアリングも良き参考にさせていただき、それによると手先が器用であることが判明しました(病気で倒れる前には、日曜大工、家の補修など、全てY様がご自身で手直ししていたとの事でした)

スタッフ全員で話し合い、何か出来るものはないかを考え、以下のことをやっていただくことにしました。
その中には失敗した事例もあります。

・入浴で使うタオルたたみ(週に2回、リネン発注しており一度に200-300枚導入)
 =>きれいによく畳んでいただけました。好きなようでした。
・昼食時及びおやす時間のコップ(プラスチック製)洗い
 =>なんなくこなしていました。
・折り紙で鶴を折る
 =>まったく関心もなく、いらいらしていまい途中投げ出してしまいました。
・その他にも試してみましたが、最も効果的であったのは「タオルたたみ」「コップ洗い」の2点でした。
これによって一日のサービス提供時間の流れが見えてきました。

今までの症状は改善したが、他の症状が発覚

これまでは施設内徘徊と帰りたい症状の訴えが主でしたが、以上の対策を実行した効果で施設にも慣れ、楽しく過ごされるようになり始めました。
しかし、理由は分からないのですが、他の症状が現れるようになりました。

ズボンの上から男性の性器の部分を触る行為が頻繁に見られるようになりました。
恐らくトイレの合図と思い、トイレに連れていくと排尿をすまされました
が、施設を利用して2か月ほど経過した時の事です。
いつもの如く、ズボンの上から性器を触っている状況があり、トイレで排尿を済ませるところまでは、いつもと変わらない状況でした。
しかし、尿意がないにも関わらず、人前でズボンを下ろして性器を見せる事が頻繁になってきたのです。
病気のため何度、注意したところで、やってはいけない事を理解できないので、ズボンが簡単に下げられないように工夫させていただきました。
ただベルトをつけるだけですが。
こっちの症状が収まれば、今度はこっちと忙しいですが、
スタッフ全員の協力によってYさんのサービス提供を日々、向上することができていると思っています。
認知症患者は個々に症状が異なり、いつ何をしてもおかしくない状況に置かれています。
その都度、最前を尽くせるよう見守り、分析、工夫が必要な事を教えられました。

[参考記事]
「認知症による徘徊と見当識障害のある女性に対する対応」

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