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認知症による昼夜逆転を添い寝で解消した事例

 

 Oさん(89歳・女性)は、息子さん家族と4人暮らしでしたが、1年前から認知症状が出現。Oさんの認知症は進行が早く、家族が昼間仕事で家を空けることが多かったため、特別養護老人ホームに入所されました。

もともと人当たりがよく、お友達が多かったOさんは入所時とても穏やかで他利用者様全員に挨拶してまわるほどでした。とても優しい方で、他利用者様のお話を聞いては一緒に泣いたり、笑ったりするほど人の良い方でした。

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夜間徘徊が始まる

 入所した日は家族がいたこと、そして昼間だったこともあり穏やかに過ごされていました。家族が帰ったあとも、笑顔で過ごされていたOさんですが夕飯前になると落ち着きがなくなり、「帰って夕飯の支度をしないと」「Yさん(お嫁さん)はどこにいるの?」と徘徊が始まり、誰にでもかまわず「Yさん知らない?」「あんたは帰らないの?」と他の利用者様を巻き込んでしまうほどでした。

夕飯が出ると忘れたように「おいしいね」と穏やかに食事をするOさんでしたが、夕飯が終わった途端「私は帰りますね、さようなら」と出口を探し始めるのです。

さらに他利用者様が就寝された後に消灯すると顔色が一変し、不穏が始まります。目が三角につりあがり、怒鳴り始め、聞く耳を持たなくなります。入所した日の夜から、夜間徘徊が始まり、不穏のため寝ることが出来なくなってしまいました。

昼夜逆転

 入所してからの2日間は昼夜ほとんど寝ることなく起きていたOさんでしたが、3日目から昼間寝るようになってしまっていました。食事をしているときは穏やかなOさん、食事が終わるとともにウトウト傾眠が始まり、ソファに横になってしまうこともありました。声を掛けると「起きてるよ」と話されるものの、すぐウトウトされていました。

 昼間ウトウトしてる分、夜の徘徊がパワフルになり、他利用者の部屋に入ってまで出口を探したり、怒鳴る声が大きくなったりと日に日に酷くなっていきました。

昼夜逆転の解消方法

 まず、家族にお話を伺うところから始めました。家族から「寂しがりやです」「おせっかいで何でもやりたがります」とのお話を聞くことができました。そこで、Oさんに簡単なお仕事をしてもらうようにしてみました。洗濯物畳み、テーブル拭き、食器の片付けなどです。

だんだん出来ることが増えていくにつれ、昼間の傾眠が軽減されていきました。それでも、3日のうち1日寝るようなサイクルで、寝ない2日間は昼間ウトウトされていました。

 次に行ったのは、添い寝です。リーダーには「子ども扱いはしてはいけない」と言われましたが、子供扱いをしているわけでもなく、やってみる価値はあると思いリーダーには事後報告をしました。

まずは落ち着きが無くなり、軽く不穏状態になったとき、ホットミルクを提供し、Oさんの話を傾聴します。家族の「寂しがりや」との一言を頼りに、「~時だからそろそろ寝ましょう。布団が1つしかないから一緒に寝ていいですか?」など上手に話を持っていきます。

Oさんはよく「いいよ!一人じゃ寂しいし、私の布団で寝ていきな」とおっしゃってくれるので、一緒に布団に入ります。Oさんが寝たのを確認して部屋を後にします。こうすることで、起きてくるのは早いものの、夜は寝てくださるようになりました。

昼間は職員のお手伝い、夜はホットミルクからの添い寝。これを続けたことで昼夜逆転が改善されました。

家族の反応

 後々家族に話を聞いたところ、自宅でも寝ないことがあったようです。家族は「どうすることも出来ず、怒ってしまった」と話されていました。

そこから、不穏が始まってしまい目が三角につり上がるようになったそうです。改善されたことを伝えると、とても喜んでくださり「この施設を選んでよかった」とこれ以上ないお言葉をいただくことが出来ました。

[参考記事]
「認知症による昼夜逆転はお昼寝で予防(厚生労働省も推奨)」

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