認知症の方がデイサービスに行きたがらないというのは、介護福祉士である私はよく耳にします。割合で言えば、むしろ初めは行きたがらない方の方が多いのではないかと思います。
では、認知症の方がデイサービスに行きたがらない時にどうすれば良いかお話します。
想像力を発揮する
デイサービスに行ってもらうには、行きたがらない理由を探りそれを解消する必要がありますね。そこで想像力を発揮するわけですが、どれ位の理由を思い浮かべましたか?
「そもそもデイサービスに行く事が理解し難い」
「デイサービスがどんな所か想像しにくい」
「人と会って何かをするのが好きではない性格」
というのが初回利用の場合で直ぐに思い付く内容です。
初回以外の場合は
「レクリエーションや利用中の時間がつまらないので、退屈しながら時間を潰さなければならない」
「こんなレクリエーションは子供が行うもので、馬鹿にされているように感じる」
「他の利用者の中に合わない人がいる」
「嫌いな職員がいる・職員の対応が気に入らない」
「デイサービスで出される食事の味付けが好きではない」
「入浴介助時に転倒しかけた等利用中に何らかの恐怖を感じる事があった」
「利用日であるが今日は気分が何となく乗らない」
「そもそもデイサービスに行かなくても自分は一人で家で気ままに過ごせるんだ、厄介者扱いをするな」
というのが思いつきます。
嫌いな利用者や職員がいる場合は、関係性の再構築を依頼すれば良いですし、つまらなく退屈な時間を過ごしていることが原因であれば本人が興味がある取り組みを依頼すれば良いです。それでも全く改善が見られなければ、違うデイサービスを探せば良いと思います(契約制であるので自由に変えることができます)。
メリットでアシストする事
人は行動するときに、「〇〇だから〜〜する」という判断を下しています。この〇〇の部分を「メリットでアシストする事」で本人が自発的に行きたいと思える環境を整える事が出来ます。
例えば元気な時にカラオケをしていたのであれば音楽のレクリエーションをすれば積極的に行きたくなるかもしれません。
「歌が好きだから、デイサービスに行く」
もちろん、元気な時に趣味にしていたことが認知症になってから全くしなくなることがありますので、一概には言えませんが。
または、仲が良い利用者さんや職員がいる場合には「〇〇さんが会いたいと言っているからデイサービスに行こうよ。会えなくて寂しいってさ」といえば行くかもしれません。
「〇〇さんが会いたいと言っているのだからデイサービスに行く」
認知症の方本人に何がしたいか、何が嫌なのかを聞いても良いですが本当のニーズの答えが返ってくる事は残念ながら少ないです。ですので、日ごろのコミュニケーションから興味があることを探してあげるしかありません。