糖質と認知症は一見関係ないように見えますが、大いに関係があります。
ポイントは血糖値です。
白米やパンなどの糖質を多く含んでいる食品を摂ると血糖値が急激に上昇しますが、この上昇した血糖値を下げるためにすい臓からインスリンが分泌されます。この上下の激しい血糖値の変動が体内に多くの活性酸素を発生させてしまうのです。血糖値の乱高下により発生した活性酸素が脳細胞を殺してしまい、その結果、認知機能が大幅に低下することが研究で判明しています(活性酸素は体内の病原菌を殺してくれるので必要なものですが、増えすぎてしまうと癌や動脈硬化を引き起こす)。それが将来の認知症へと繋がります。
具体的には90mg/dlから360mg/dlまで急激に血糖値を変動させた場合、血管の細胞が死んでしまうことが確認されています(この振れ幅が大きければ大きいほど認知機能の低下も大きくなります)。
血糖値の急激な上昇を防ぐためには
ではこの血糖値の急激な上昇を防ぐためにはどうしたらいいのか。当たり前ですが、糖質を摂りすぎないように気を付けるしかありません。糖尿病の患者の場合には1日の糖質の量を60gにするのがベストだとされています(参考記事「糖質制限食(低炭水化物食)における糖質1日の必要量」)。通常の日本人の糖質量の平均が1日に250gから300gですので、今までの4分の1から5分の1に糖質を減らさなければいけません。
初めにどの食材を減らさなければいけないのか。
それはお米、小麦粉を使ったパン、たこ焼き、お好み焼きなどです。白米の糖質量は100g当たり約37gくらいですが、角砂糖に換算すると約9個です(茶碗半分より少し多いくらいが100gです)。コーヒーに角砂糖を9個入れる人はいないと思うのですが、白米であれば気にせず食べてしまいます。
また、白米はダメでも玄米は大丈夫だろうと思っている人もいますが、玄米の糖質量は100g当たり約34gですのであまり変わりません。しかし、白米やパンをすべて抜くのは現実的ではないので、今まで白米を1杯食べているのであれば半分に減らしてください。パンも糖質が多いので気を付けてください。6枚切りの食パン1枚で角砂糖約11個分の糖質を含んでいますので、血糖値は急激に上昇します。
このように糖質を制限をするということは認知症を予防することになるので、若い頃から血糖値の管理をしましょう(参考記事「糖尿病になると認知症になりやすいという研究を紹介」)。