この記事は家で祖母の介護をしている女性に書いていただきました。
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認知症は、目を離すと何をするか分かりません。まさか!と思うような事をするのです。その中でも私の祖母は、買い物を恐ろしい程しました。認知症に気が付いてからはお金を渡していなかったのですが、自分が昔から利用していた店を使って、お菓子などの安いものであればツケで買ってしまうのです。
しかし、中には高額の商品を買ってしまうこともあります。なぜ、高額の商品を買えるのかといえば、平日の昼間は祖父と二人なので、祖父が寝ている隙にカードを持ち出していたからです。100万円もする着物の帯を購入したこともありました。
この時にはすぐに発覚して返金してもらえましたが、もし私が気付かずに帯を買っていたと思うとぞっとします。お店の人も「ちょっと会話がおかしいと思ったのですが」と言いながらも、高額な物売ってしまっていたので、後ろめたい気持ちがあったのだと思います。それで返金をしてくれたのでしょう。
認知症だから遠くまで行けないだろうと甘く見ていたので、まさか電車やバスに乗ってまで買い物をしていたなんて思いもよりませんでした。
そんな矢先、警察から電話で、「おばあちゃんが家が分からないと言うので連絡しました」と電話があり、場所を聞くと少し遠いショッピングセンターでした。行って帰ってこれる時もあれば、急に帰れなくなる時もある、これが認知症なんだと、ますます目が離せないと思いました。
このように買い物依存症のようになっていましたので、亡くなった後に気付いた物も多く、新品の服やアクセサリー、着物などほとんど使わない商品は物置や家具に隠してありました。祖母の好みでないような物もあったので、上手いこと言って買わされたように思いました。
大量のタバコを購入
祖母はヘビースモーカーだったのですが、タバコを吸って灰皿に置いては忘れ、また違う所で吸っては置いてといつか火事になると思い、タバコを取り上げました。家族もタバコを吸うので、家中の煙草を隠しました。
すると家族一人一人の部屋を物色し始め、部屋に置いてあったタバコを吸うのです。これは危ないと各部屋鍵を付けると、それをハサミを使って開けるのです。そして、部屋に入りグチャグチャにするので、最終的には、ドアノブを取り、隠しました。
そうしたところ、お店で大量のタバコを買ってきて、隠れて吸っていました。お金を渡していなかったので不思議でしたが、タバコを探しているうちにお金を見つけたようです。
このように祖母が亡くなるまで買い物依存症のような症状に悩まされ、結構な金額を使っていました。