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認知症の4種類の型とは(アルツハイマー型、前頭側頭型など)

 

 認知症は病気や外傷による場合などにより4種類の型に分類できます。その4種類について順番に説明していきます。

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①アルツハイマー型認知症

 アルツハイマー型認知症は認知症の中でも一番多く全体の70%以上を占めます(女性の方が多いと言われています)。アルツハイマー型認知症は脳内(頭頂葉や側頭葉後部)にアミロイドβやタウという蛋白質が溜まることで神経細胞が壊れたり、記憶の中枢である海馬が萎縮することが原因です。

 アルツハイマー型認知症の特徴は認知症状がいつの間にか始まり緩やかに進行することです。周囲の人も発症した際には気付きにくく、しばらく経ってから「最近物忘れが酷くない?」「同じ事を何度も聞き返すな?」という具合に感じるようになります(特に直近の出来事を忘れます)。他にも落ち着きがない、徘徊(特に昼間)、病識(自身が病気だと分かっていること)がないなどの症状が目立ちます。

②前頭側頭型認知症

 前頭側頭型認知症は前頭葉や側頭葉前部が委縮することで起きる症状です。前頭葉は理性、計画性、意欲などを司っています。側頭葉は言葉の理解、聴覚、感情、記憶(視覚記憶など)などに関わっている部位です。

 前頭側頭型認知症の特徴としては
〇同じ事を繰り返してしまう。
 例えば「ごはん」という言葉を何度も繰り返し言ってしまうことや同じ場所を何度も歩くなどの症状が見られます。

〇己の感情の抑制が効かないため、してはいけない事をしてしまう。
 前頭葉は「理性」、側頭葉は「感情」を司っているとお伝えしましたが、ここが障害を受けているために感情の抑制が効かなくなり、社会的にしてはいけないことをしてしまいます。例えば万引きや盗難などです。

〇自分が行う事に対して周囲への影響を考える事ができない

〇突然怒り出す

〇感情をもっていないかのような表情をしている

〇食べ物ではないものを食べようとする

などが挙げられます。

③レビー小体型認知症

 レビー小体型認知症は脳にレビー小体という物質が溜まることで起こります(認知症の中で3番目に多い症状で、全体の20%ほどを占めます)。レビー小体とは脳幹や大脳皮質に溜まる特殊な蛋白質で、これが脳の神経を阻害します。

 レビー小体型認知症の特徴は
〇状態の良い時は会話も出来ますし、散歩も出来ますが、具合が悪くなると意欲が低下し「うつ病」と似た症状になります。

〇幻視や誤認、妄想といった症状もあります。普通の人には見えない人や動物がいると訴えたり(幻視)、自分が小さな子供と勘違いしたりします(妄想)。

〇パーキンソン病に似た症状が現れ、筋肉が硬直したり、震えが止まらなくなったりするので、転倒に注意する必要があります。

〇すり足で歩く

〇薬に過敏に反応するケースが多い

などです。

④脳血管性認知症

 脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などの脳の病気を原因とする症状です。

 脳血管性認知症の特徴は
〇嚥下障害(食べ物を噛んで飲み込む障害)や構音障害(発音が正しく出来ない)、歩行障害、頻尿、パーキンソン症状(筋肉の硬直など)などがみられる

〇感情に抑制が効かないため喜怒哀楽が激しくなる(感情失禁といいます)

〇尿の失禁が多い

〇病識がある(自分が病気だと分かる)

〇日内変動や日間変動があり、症状の強さが時間や日によって違う。
ですので、先ほど思い出せなかったり、判断できなかったことが2時間後には正常になっていたりします。

〇夕暮れ時からから夜にかけて意識障害が現れることがあります

〇糖尿病などの他の病気を発症している場合が多く、介護を必要とするケースも少なくありません。

〇あまり、口数が多くありません。

 以上、認知症の4種類の型であるアルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症に関しての説明をしました。認知症の診断は非常に難しく、医師の経験により左右される場合もあります。できるだけ、認知症専門医に診てもらいましょう。

[参考記事]
「認知症の中でも一番多いアルツハイマー型認知症の症状は?」

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