認知症による妄想と暴力についての対応について
Sさん(62才女性)は、30代で躁うつ病を発症し、50代で脳梗塞を患い、現在は脳血管型認知症となりました。左半身麻痺のあり、歩行は困難で、車椅子を使用しています。 こういう状態でSさんは、デイサービスの利用を開始しました。躁うつ病ということと、他の利用者さんとは年齢が離れているということもあり、Sさんは、なかな...
Sさん(62才女性)は、30代で躁うつ病を発症し、50代で脳梗塞を患い、現在は脳血管型認知症となりました。左半身麻痺のあり、歩行は困難で、車椅子を使用しています。 こういう状態でSさんは、デイサービスの利用を開始しました。躁うつ病ということと、他の利用者さんとは年齢が離れているということもあり、Sさんは、なかな...
ミツさん(90歳)の悩みは、「見知らぬ人」が常に周りにいることです。それは介護者であったり、老人ホームの他の入所者だったり、面会のご家族であるのですが、長く一緒にいても、その人をすぐに忘れてしまうので、常に見知らぬ人になります。 認知症により、身内の顔すら分からなくなっているのは悲しいことですが、ミツ...
Sさんは、もうすぐ100歳になられます。脳梗塞を起こされてから、身体にマヒが残り、歩けなくなりました。脳梗塞の後には脳血管型認知症も発症されています。 自分で体を起こすことは出来ませんが、座位の姿勢を取るまで介助すると自分で保つことはできます。食事はスプーンを使い自分で食べることができます。少しハイで...
アルツハイマー型認知症のBさんは要介護3の76歳女性です。ADL(日常生活動作)は比較的正常に保たれていますが、認知症状による問題行動がひどくなり、在宅での生活は困難とのことで、特別養護老人ホームに入所されました。 認知症状の一つ「物盗られ妄想」でパニック 物忘れはあり、人の名前は分からなくなってしま...
認知症のあるSさん(89才女性)についてお話します。Sさんは、ご主人が亡くなったあと、一人暮らしをされていましたが、認知症が進行してきた為、近くに住む娘さんが泊まりで様子を見ていました。しかし昼間、娘さんが仕事に行っている間は、Sさんが一人になってしまう、ということで、デイサービスを利用されることになり...
サイトウさん(仮名)は、77歳、体重が90キロ近くある男性、認知症の他に、関節痛や糖尿病性神経障害で車いすの生活です。訪問介護に行くスタッフは、かなり経験を積んだ人でも苦労します。 サイトウさんの朝の介護メニューはシャワーです。まずは介護ベッドから車いすに移動させて、バスルームへ、そこでシャワー用の椅...
会計士だった認知症のヤスジさんは、会話が成り立つだけでなく、語彙がとても多くて、社交的です。老人ホームの人気者で、新しく入ってきた患者さんのご家族は、ヤスジさんを入所者の家族と勘違いしてしまうほどです。それでも、2~3分も話していると、やはり辻褄が合わなくなってきます。 ヤスジさんには幻覚の症状があり...
私はショートステイ併設型の特別養護老人ホームで働いています。そのショートステイを初めて利用することになった、帰宅願望のある女性の利用者Aさんのお話をします。 日常的に帰宅願望があり対応に困っていた 入所してすぐに落ち着きがなくなり、「家に帰らして!」という帰宅願望が激しくありました。しかも、その時は感...
入所したことが理解できない Kさん(80代女性)は特別養護老人ホームに入所されて1年です。認知症により自宅での介護が難しくなり、入所されることになりました。入所されてすぐの頃は、家族も面会に来られていましたが、Kさんが毎回「家に連れて帰って」と言われるので、その都度「おばあちゃんの家はここになったのよ」...
認知症は、時に患者さんから言葉を奪っていってしまいます。認知症の中核症状として失語は位置づけられています。 私は介護職としての経験は長いので、認知症で失語の症状を持つ人を多く見てきています。その中の印象に残っている3人を事例に挙げて、説明していきます。 中国人のKさんの失語の事例 Kさん(81歳女性...