今回は認知症を予防するための体操についてお話します。体操と言うとラジオ体操のように本格的に体を動かすことを想像しますが、今回は体力がない高齢者でも座ってできる簡単な体操を紹介します。
口腔体操
私の勤務している施設では食事前に口腔体操をしています。誤嚥の防止を主目的としているのですが、咀嚼と顎の開閉が認知症の予防になると証明した研究があることから、認知症予防も副産物的な扱いで期待しています。
では口腔体操のやり方について説明します。
①最初は口の開閉です。初めに口を開け、ゆっくり閉じます。
②次は唇です。「イー」と唇を引き、「ウー」と口をすぼめます。これは口周りの筋肉を鍛えます。
③次は空気を頬に入れて膨らませて息が漏れないようにします。その後に口をすぼめます。これで頬と口周りの筋肉を鍛えます。
④口の外に舌を出しながら左右に動かします。そして、さらに口の中でも同じように舌を左右に動かします。
⑤「あいうえお、かきくけこ…」と五十音順に発音していきます。
⑥咳払いの練習をすると誤嚥の防止の練習になります。
拮抗体操
拮抗体操は2つの違う動作を同時に行なう体操です。
①右手でグーを突き出すのと同時に左手をパーにしてお腹に乗せる。
②今度は逆に左手でグーを突き出すのと同時に右手をパーにしてお腹に乗せる。
この①と②の一連の動作を10回ほど行ってください。もう少し難度を上げたい場合には突き出すジャンケンをチョキやパーなどに変えて、何回かやってみてください。
次の拮抗体操を紹介します。
右手で右ももをグーでトントン叩きながら、左手で左ももを擦りながら上下に動かします。今度は逆に左手で左ももをグーでトントン叩きながら、右手で右ももを擦りながら上下に動かします。これをそれぞれ10回ほど行なってください。これも初めの拮抗体操のようにジャンケンの種類を変えながら行なうとさらに効果的です(叩くジャンケンをパーに変えたり)。
以上、2つの体操を紹介しましたが、認知症の予防には運動と同時に体操も効果的ですので、是非日常に取り入れてください。
LEAVE A REPLY