幻覚(ジャングル)が見えると訴える認知症の人への対応例
会計士だった認知症のヤスジさんは、会話が成り立つだけでなく、語彙がとても多くて、社交的です。老人ホームの人気者で、新しく入ってきた患者さんのご家族は、ヤスジさんを入所者の家族と勘違いしてしまうほどです。それでも、2~3分も話していると、やはり辻褄が合わなくなってきます。 ヤスジさんには幻覚の症状があり...
会計士だった認知症のヤスジさんは、会話が成り立つだけでなく、語彙がとても多くて、社交的です。老人ホームの人気者で、新しく入ってきた患者さんのご家族は、ヤスジさんを入所者の家族と勘違いしてしまうほどです。それでも、2~3分も話していると、やはり辻褄が合わなくなってきます。 ヤスジさんには幻覚の症状があり...
私はショートステイ併設型の特別養護老人ホームで働いています。そのショートステイを初めて利用することになった、帰宅願望のある女性の利用者Aさんのお話をします。 日常的に帰宅願望があり対応に困っていた 入所してすぐに落ち着きがなくなり、「家に帰らして!」という帰宅願望が激しくありました。しかも、その時は感...
入所したことが理解できない Kさん(80代女性)は特別養護老人ホームに入所されて1年です。認知症により自宅での介護が難しくなり、入所されることになりました。入所されてすぐの頃は、家族も面会に来られていましたが、Kさんが毎回「家に連れて帰って」と言われるので、その都度「おばあちゃんの家はここになったのよ」...
認知症は、時に患者さんから言葉を奪っていってしまいます。認知症の中核症状として失語は位置づけられています。 私は介護職としての経験は長いので、認知症で失語の症状を持つ人を多く見てきています。その中の印象に残っている3人を事例に挙げて、説明していきます。 中国人のKさんの失語の事例 Kさん(81歳女性...
Hさん(92才・女性)は軽度のアルツハイマー型認知症です。週3回のデイサービスと週2回のヘルパー利用をしながら、お一人で生活されていました。戦後、焼野原だった土地に自宅兼店舗を建て、ご主人様と自営業を営んでおられました。『周りから「Hさんはいつ寝てるの?」と言われるくらい、朝も夜もよく頑張って働いた』と...
Fさんは認知症と診断され、特別養護老人ホームに入居されました。身体的な問題は特になく、ご自身で食事もでき、入浴も出来ます。職員のお手伝いも率先して行って頂けるため、職員も安心していました。入所時の理由としてはご家族の方が遠方に住んでおり、Fさんの面倒を見るのが難しいという理由だったために、施設側もそこま...
特別養護老人ホームに入所されて3か月のAさん(80代女性)は入所以来、夕暮れ時になると「家に帰らないといけない」「ご飯の準備をしなくちゃいけない」と言われることが度々あります。この症状は特別珍しいわけではなく「夕暮れ症候群」と言われています。 夕暮れ症候群が起こる理由は 生活の中で夕暮れ時は仕事が終わ...
特別養護老人ホームに入居されているBさんは認知症が進むことで現れる「異食行為」が目立つようになってきました。最初のうちは他の利用者が床に落としたご飯やおかず等を拾い、口に入れる事をしばしば目撃しました。その都度声掛けで対応していましたが、一向に止める気配が見られませんでした。ただしこの時点では口に入れて...
私は急性期病院の整形外科病棟で看護師として働いています。グループホームで転倒し、骨折をしてしまったA様の自立支援にむけた連携についてお話をします。 A様はアルツハイマー型認知症と診断を受けている90代の女性です。グループホームは数か月前に開所したばかりでした。ある日、A様は自室で転倒をしてしまい、膝を...
入居されて2か月のBさん(70代男性)はそれまで自宅で過ごされていましたが、ある問題行動が原因となり、ご家庭での介護が出来なくなり施設へ入居となりました。その原因が弄便です。弄便とはその名の通り便を弄る(いじる)行為です。 「若いころは厳格な父親だったのに便で遊ぶようになるとは今でも信じられない」 「怒...