[認知症介護] 妄想を伴う帰宅願望に対する対応
介護施設で働いていると多くの認知症の方と接します。高齢者の認知症の大部分を占めるアルツハイマー型認知症はアミノイドβやタウというタンパク質が溜まったり、海馬が委縮することで発生する病気です。 その症状の現れ方は人によって様々で、記憶障害から過去の出来事と現在との区別ができなくなり、突拍子もない行動をさ...
介護施設で働いていると多くの認知症の方と接します。高齢者の認知症の大部分を占めるアルツハイマー型認知症はアミノイドβやタウというタンパク質が溜まったり、海馬が委縮することで発生する病気です。 その症状の現れ方は人によって様々で、記憶障害から過去の出来事と現在との区別ができなくなり、突拍子もない行動をさ...
帰宅願望に関してのお話をします。83歳男性A氏、脳血管性認知症により左不全麻痺はありますが、ADL(日常生活動作)はほぼ自立。奥さんと娘さんの3人暮らし。 A氏の介護は奥さんがされていましたが、奥さんには心臓病の既往あり、病状悪化の為入院となりました。娘さんは仕事と母の介護で忙しくなり、A氏の身の回りのお...
●体験利用に向けて ケアマネジャーさんより、こちらの小規模デイサービスに認知症の方、Tさん(男性81歳)の体験利用希望が入りました。 その方は現役時代には大手食品会社の管理職を務めあげ、安定した年金と退職金でご夫婦2人暮らしをされています。最近では認知症状が出始め、ほとんど家から出る事なく引き籠ってお...
「そろそろ家に帰ります」「やることがあるから」と言って何度もデイサービスの席を立たれ家に帰ろうとされる80代の男性Aさん。 Aさんはアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症とは見当識障害や記憶障害を主症状とした認知症疾患の1つ。異常なタンパク質が脳内に蓄積されてしまうことが原因で、程度の差は...
全くのど素人の私が初めて介護の仕事に就いたのは介護老人保健施設でした。認知棟、介護棟、デイサービス、グループホームがあり、私は「認知棟」で働く事になりました。認知症の程度は重い方ばかりでした。 普段は普通に会話をするのに何かの拍子で突然怒り出したり、こちら側がいつものように付き添いをしてると「しなくて...
自宅で1人暮らしをされていたTさん(86歳・男性)は、肺気腫と診断され病院で入院されていました。退院後には病状が落ち着いていましたが、脳血管性認知症もあり、在宅での生活が困難とのことで特別養護老人ホームへの入所が決定しました。 入所当日の夕方頃より施設フロアを何度も行き来されたり、エレベーターのボタン...
以前グループホームで働いていた時に、夫婦二人で入所している方がいました。旦那さんはレビー小体型認知症で要介護1、奥さんはアルツハイマー型認知症で要介護3でした。 二人は、施設に入る前は二人暮らしをしていたのですが、同じ時期に二人とも認知症を発症してしまいました。道に迷って警察に何度も保護をされたりした...
今回は特別養護老人ホームに入居されているMさんの帰宅願望が軽減された事例についてお話します。入居をする際のMさんは要介護度3で、認知症の度合いとしては特に短期記憶がすごく弱い状態でした。1分前に言ったこと、行ったことを既に忘れており、同じことを何度も繰り返そうとします(少し前に飲んだ薬のことを忘れており、再度要求する...
帰宅願望は記憶障害や見当識障害(中核症状。時間や場所が分からなくなる症状)の側面もありますが、介護者の認知症の人への対応によって起こる周辺症状とも言えます。 つまり、今自分がいる場所が家なのか、介護施設なのか区別ができずに帰ろうとする行為は「脳の機能障害のせいである」とも言えますが、「家や介護施設の居...