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認知症の予防に運動は効果があるのか

 

 認知症の予防に運動が効果であるという研究が2つありますので、紹介します。

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①ブリティッシュ・コロンビア大学

 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の研究によると1週間に2回、各1時間の運動を半年間行ったところ、軽度認知症患者の脳の海馬の容積が増えたという研究を発表しています。東京大学の実験でも運動をすると海馬で新規に作られる神経細胞の数が倍以上に増えることが分かっていますので、コロンビア大学の研究は信憑性が高いです。

 この研究で実施した「運動」はウォーキングや筋肉を鍛えるトレーニングなどです。筑波大学の実験では10分ほどの自転車での運動で、「実行機能」が改善することが分かっていますので、歩くだけではなく自転車でも効果はあります。実行機能は「計画を立てて、それを実行すること」ですが、認知症になるとこの機能は衰えてきます。こんな簡単な方法で認知症が予防できるのであればやらない手はありません。

②リスボン大学サンタマリア病院

 ポルトガルのリスボン大学サンタマリア病院が週に3回、30分以上の運動をすると認知症になる可能性が4割ほど低くなるという研究を発表しています。運動の種類は①と同じです。

 この研究では特に脳血管性認知症の予防に効果があったということですので、運動により脳卒中のリスクが低くなるということを意味しています(運動と脳卒中の因果関係は多くの研究で明らかになっています)。

 以上、2つの研究を紹介しましたが、これらの研究は健康な人や軽度認知症の人を対象にした実験ですので、既に中度、重度の認知症になっている人では効果が期待できない可能性があります(もちろん、運動不足は他の病気も引き起こすで、運動できるのであればやった方がいいです)。

 ですので、認知症になる前から運動の習慣を付けておくべきです。運動の目的は認知症の予防でもダイエットでも何でもいいので、とにかく体を動かすことが大切です。今ではカーブスなどのトレーニングジムが流行っていて、多くの高齢者が通っていますが、私の母(74才)も週に数回通っています。日本も超高齢化社会に突入していますが、カーブスのような気軽に行けるジムが増えれば認知症の患者も少なくなるのではないかと私は期待しています。

[参考記事]
「徘徊中に唾液を吐き捨てる認知症入居者への対応と対策」

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