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認知症の代表的な薬とは?

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 認知症になってしまったら、どのような治療方法があるのか?と思いますよね。認知症は残念ながら今の医学では治癒することは出来ませんが、認知症の進行を遅らせたり、症状を緩和させるために薬物療法を行う場合があります。一つ覚えておいてほしいことがあるのですが、認知症は薬では治せないことです。薬物療法とはあくまで対症療法的な治療です。

 では、実際に認知症になった際によく使用されている薬について説明します。認知症の薬で代表的なのは4種類です。

①商品名 アリセプト(ドネぺジル)

 アリセプトは認知症の薬として最初に開発された薬で一番歴史が古いです。認知症の中のアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症にだけ効果が期待できます。

 アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症はアセチルコリンという記憶などに関わる神経伝達物質が少なくなることが原因の一つとして挙げられるのですが、なぜ少なくなってしまうのか。それはアセチルコリンエステラーゼという酵素がアセチルコリンを分解してしまうからです。アリセプトはこのアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害するために使われます。

 ここで注意して欲しいことはアリセプトは認知症の進行を抑えるものではないということです。効果が「期待できる」という表現の方が正しいです。以下のように良い効果は得られていないと添付文書にも書いてあります

1.本剤がアルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない

2.アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。

アリセプトの添付文書より引用

 さらに添付文書を読むと臨床試験における副作用の発現率が10.5%から48.8%と高い数字が並んでいますので、使用の際には注意してください。副作用と言いましても、頭痛や嘔吐などの軽いものから、脳出血、急性腎不全などの重い症状まであります。

〇軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症

承認時までの臨床試験において、総症例457例中、 48例(10.5%)の副作用が報告されている。

また、 98例(21.4%)の臨床検査値異常変動が報告され ている。

(承認時) 使用成績調査において、総症例3,240例中、346例 (10.7%)の副作用(臨床検査値異常変動を含む) が報告されている。

〇(再審査終了時) 高度のアルツハイマー型認知症

承認時までの臨床試験において、総症例386例中、 171例(44.3%)の副作用(臨床検査値異常変動を 含む)が報告されている。

〇(承認時) レビー小体型認知症

承認時までの臨床試験において、総症例346例中、 169例(48.8%)の副作用(臨床検査値異常変動を 含む)が報告されている。(承認時)

アリセプトの添付文書より引用

 また、重い副作用については以下の病気が報告されています。

心室頻拍(torsades de pointesを含 む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐 脈、心ブロック、失神、心筋梗塞、心不全、、消化性潰瘍、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血、肝炎、肝機能障害、黄疸、脳性発作、脳出血、脳血管障害、錐体外路障害(アルツハイマー型認知症:0.1~ 1 %未満、レビー小体型認知症:9.5%)、悪性症候群、横紋筋融解症、呼吸困難、急性膵炎、急性腎不全、原因不明の突然死、血小板減少

アリセプトの添付文書より引用

②商品名 レミニール(ガランタミン)

 レミニールはアリセプトと同じアセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。軽度または中等度のアルツハイマー型認知症の人に処方されています。しかし、アリセプト同様、認知症の進行を抑えることは出来ません。

1. アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用 すること。

2. 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。

3. アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、 本剤の有効性は確認されていない。

レミニールの添付文書より引用

 アリセプト同様に臨床試験における副作用の発現率が「57.9%」と高いので注意してください。

軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象に実施した国内臨床試験における安全性評価対象症例744 例中431例(57.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が 認められた。

主なものは、悪心111例(14.9%)、嘔吐92 例(12.4%)、食欲不振62例(8.3%)、下痢46例(6.2%)、 食欲減退40例(5.4%)、頭痛34例(4.6%)であった。

〇重大な副作用

失神(0.1%)、徐脈(1.1%)、心ブロック(1.3%)、 QT延長(0.9%)、急性汎発性発疹性膿疱症、肝炎、横紋筋融解症

レミニールの添付文書より引用

③商品名リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ(リバスチグミン貼付剤)

 アリセプト、レミニール同様でこちらもアセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。リバスタッチパッチとイクセロンパッチは2つの製薬会社で販売されていますが、中身は同じです。軽度または中等度のアルツハイマー型認知症の人に処方されています。リバスタッチパッチとイクセロンパッチは貼付剤ですので、皮膚への副作用が出現する可能性があります。

 臨床試験時には78. 8%という高い率で貼っている箇所が痒くなったり、赤くなったりしています。そのため、貼付する際には毎日貼付する部位を変えることや、ヒルドイドクリーム(保湿作用)やヒルドイドローション(保湿作用)の使用が勧められてます。

国内臨床試験において安全性解析の対象となった1, 073例 中846例(78. 8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む) が 認 め ら れ た。

主 な 副 作 用 は、適用部位紅斑404例 (37. 7%)、適用部位1痒感393例(36. 6%)、接触性皮膚炎273例(25. 4%)、適用部位浮腫119例(11. 1%)、嘔吐 84例(7. 8%)、悪心82例(7. 6%)、食欲減退56例(5. 2%) 及び適用部位皮膚剥脱52例(4. 8%)であった。(用法・ 用量一変承認時)

リバスタッチパッチの添付文書より引用

 貼り薬ですが、添付文書には重大な副作用も報告されていますので、注意してください。

狭心症(0. 3%)、心筋梗塞(0. 3%)、徐脈(0. 8%)、房室ブ ロック(0. 2%)、洞不全症候群(頻度不明)、一過性脳虚血発作、脳出血及び脳梗塞を含む脳血管発作 (0. 3%)、痙攣発作(0. 2%)、食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍(いずれも頻度不明)、 十二指腸潰瘍(0. 1%)、胃腸出血(0. 1%)、肝炎(頻度不明)、失神(0. 1%)、幻覚(0. 2%)、激越(0. 1%)、せん妄、錯乱(いずれも頻 度不明)、脱水(0. 4%)

リバスタッチパッチの添付文書より引用

④商品名 メマリー(メマンチン)

 メマリーはアルツハイマー型認知症を治療する薬ですが、上記の3種類とは作用機序が違います。メマリーは「グルタミン酸仮説」に基づいて開発されていますので、この仮説について初めに説明します。グルタミン酸はアセチルコリンと同じ神経伝達物質ですが、記憶に関わりを持っています。グルタミン酸が海馬(記憶)などに存在するNMDA受容体に結合することによって情報が伝達され、そして記憶として形成されるのですが、通常グルタミン酸が多く分泌されるのは「記憶をしている時」などに限られます。しかし、アルツハイマー型の場合には記憶をする、しないに関わらず、グルタミン酸の濃度が高い状態になっていて、常にNMDA受容体と結合しています。このような状態が続くと神経細胞が死滅してしまう現象が生じます。

 そのためメマリーはNMDA受容体にグルタミン酸が入りすぎないように蓋をしてしまう目的で開発されています(もちろん、記憶する時などには蓋は開きます)。メマリーは他の3種類の薬と比べて臨床試験における副作用の出現率が「36.6%」と低いですが、使用の際には注意してください。

国内におけるメマリー錠承認時までの臨床試験において、 1,115例中408例(36.6%)に副作用が認められた。

主な副作 用は、めまい4.7%(52例)、便秘3.1%(35例)、体重減少 2.2%(24例)、頭痛2.1%(23例)等であった。

〇重大な副作用

痙攣(0.3%)、失神(頻度不明注)、精神症状(激越:0.2%、攻撃性:0.1%、妄想:0.1%、 幻覚、錯乱、せん妄:頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)、横紋筋融解症(頻度不明)

メマリーの添付文書より引用

[参考記事]
「薬(アリセプト)は認知症に効果があるのか検証してみた」

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