認知症の方は学習・記憶力の低下、見当識障害などがあるために、同じことを繰り返し言ったり、話している相手が分からなかったりします。このような認知症の方に対して一番やってはいけない対応は「それ先ほども言ったでしょ。同じ事を聞かないでよ」
と怒ったり、否定してしまうことです。このように怒ったり、否定することで認知症の方は苛立ちを感じたり、悲しみを感じたりして、気分に波が出てしまいます。そうするとさらに精神が不安定になり、認知症状が悪化しかねません。
周囲の人は間違っていることや同じことを何度も言われることでイライラするかもしれませんが、認知症の方に気持ちよく過ごしてもらうためには接している人自身が広い心で対応しなければいけません。
どのような対応をすべきか
認知症患者さんに対して接する場合には認知症の方の会話や行動に対して注意したり、怒ったりするのではなく、行為を認めてあげながら「誘導」や「提案」をするような対応をしてください。
例えば
〇食事を済ませているのに「食事はまだなの」と言ってきた場合には「もうすぐ出来るから、お煎餅でも食べていてね」と言ってみる
〇食べ物ではないものを食べようとしている時には「こっちの方が美味しいよ」とお菓子をあげる
〇「お金盗まれた」と言ってきた場合には「一緒に探そうか」と提案する
〇幻覚で人が見えて「あそこに人がいる。怖い」と言ってきた場合には「私が出ていくように言ってくるね」と話を合わせてあげる
こうすることで認知症の方も「私だけご飯食べさせてくれないの」と怒ることも少なくなるし、接している家族も「先ほど食べたでしょ」とイライラすることもなくなります。
ダメな例は
〇「先ほど食べたでしょ。食べ過ぎると太っちゃうよ」
〇「それは食べ物ではないから食べられないよ」
〇「お金盗まれていないよ。ここに財布あるでしょ」
〇「そこに人なんかいないから、早く寝な」
認知症ではない健康な人でも否定されるのは嫌ですよね。「なんでこんなことも出来ないんだよ。いらないから会社辞めてよ」って言われたら、落ち込みます。認知症の人も同じなんです。ですので大事なので何回も言いますが、認知症の方の行動や言動を否定することなく、彼らのペースに合わせて、会話したり、行動する対応を取ってください。
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