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認知症の母の妄想にどのように対応したのか

この記事は40代の女性に書いていただきました。

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 私の義母(79歳)はアルツハイマー型認知症で、私たち夫婦の家からは車で約1時間半ほどの距離に一人で暮らしております。約5年間、認知症の薬「アリセプト」の服用を続けてきました。

 この春までは至って元気で、物忘れの症状はあるものの、初期症状にとどまっており、義母が自分でやってきた習慣的な生活は自分で一通りできておりました。

 私は嫁ですが、昨年から毎日電話をし、服薬確認や健康確認を行っています。

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突然、電話に出なくなった

 そんな義母ですが、ある日から急に電話に出なくなりました。タイミングが悪いと電話に出れないこともありましたが、その日は何度電話しても全く電話に出ません。

 主人とも相談し、夜11時ごろでしたが義母の家まで車を走らせました。義母の家に入ってみると、義母はいつものとおり、茶の間に布団を敷いて寝ていました。

 主人が起こして、電話が出ないから心配していた、どうかしたのかと尋ねても、「電話なんてなかった」の1点張りで、「早く帰れ」と私たちをせかしていました。この時の義母はいつもの義母でしたので、その日はそのまま帰ることにしました。

 しかし、次の日も電話に出ず、またあくる日も電話に出ません。どうしたのか、耳が悪くなったのかと非常に心配が募る日々でした。

突然始まった妄想

 その頃からご近所さんに対しての悪口が酷くなるようになりました。元々あまり義母が得意としていなかったご近所の独居のおばあさまの悪口を会うたびに言います。そして特に良くしてくださっていたお隣さんのことも悪く言い出すようになりました。その悪く言っている内容も実際のことではなく、全て妄想上の出来事です。

 今思うと、電話に出なくなったのも認知症の症状が原因だったように思えます。

妄想を始めるとほかの事ができなくなる

 義母はもともと少し気性の荒いタイプで、怒ってお皿を割ったりしてしまうこともありました。

 そのため、私と一緒にいる時も、いったん妄想が始まるとその怒りにばかり頭がいってしまい、不穏になりました。例えば食事をしている最中も黙ったたままずっと考え込んでいたり、思い出したかのようにイライラしてドンと床をたたいたり、一緒にいる身としては気持ちの良いものではありません。

 またお風呂に一緒に入っていても、妄想のことで頭がいっぱいになってしまうあまりに何回も同じ場所を洗っています。それを私が指摘しても「うるさい」といって怒り出したりするようになりました。

義母の味方になって話をして気をそらす

そんなことで悩んでいた時にほかの方の介護体験などをネットで読みながら、皆さんの対応を真似するようになりました。その中でも特にうまくいったのは、「気持ちはわかっているよ」ということを義母にしっかり伝えた方法でした。

例えばご飯を用意したとき、妄想が始まり、「ご飯なんか食べたくない」と言い出しました。そんな時はできるだけ義母の妄想を聞いてあげます。そして、まず義母の気持ちに同調します。「そんなこと言われてたいへんだったね。なんでそんなこと言われなきゃいけないのか、腹が立つね。」こんな感じです。

そうすると母はまたいろいろ話してくれます。そこでもふんふんと話をひとまず聞いておきます。「そんなこと言うその人がおかしいよ。お義母さんは何も悪くない。その人、なんでお義母さんと仲良くなるようになったんだっけ?」などといって、妄想の対象以外の人のワードをお義母さんから引き出します。

今度はそのワードをどんどん広げていくといった形で別の話にし、最後はできるだけお義母さんの得意なことにつなげていくようにします。するとだんだん気持ちが明るくなり、ごはんを食べる気分になってくれました。

認知症の方は色んな気持ちの中で生きているそうです。義母もよく言っていました。「こんなこともできないなんて、くやしい」「もっと若かったら」

こんな気持ちは誰しもが持っているものだと思います。それを認知症の人は毎日直面しているわけです。

「もしかしたらあなたの顔もわからなくなってしまうかもしれないよ」と義母は笑いながら話しますが、心では非常に怖いと思っているはずです。

そういった気持ちに寄り添えた時、「この人は私をわかってくれている」と非常に安心するのだと思います。それができたときは義母は素直に私の言うことも受け入れ、聞いてくれます。なかなか難しい事で、私も10回に1回できたらいい方です。ご家族の方々も非常につらいと思います。でも気持ちが届くときもあります。だからどうかめげずに頑張ってください。

[参考記事]
「認知症の人の帰宅願望にどう対応しているの?」

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