グループホームの特徴や入居条件など
ポイント1
グループホームは、9名を1ユニットというグループにして共同生活を送る施設です。1ユニットごとにお風呂、トイレ、キッチンなどがあります。
グループホームでは家庭的で馴染みのある関係づくりが大切にされるため職員はユニットごとに固定されています。
ポイント2
グループホームは大まかな日課表で、利用者のその時の状態や気分を重視して一日を過ごして頂くことになります。
グループホームでは、ユニットの中で調理を行い、食堂で一緒に食事をする、居室内の清掃や洗濯物を畳む等を職員と共に行って、支援を受けながら日常生活を送って頂くことになります。
これらの日常の行動が認知症を進行させないためのリハビリになるという意味合いもあります。
その他にもレクリエーションも行われ、これらも合わせて認知症を進行させないための訓練を行っています。
ポイント3
入居できる対象者は、65才以上で要支援2~要介護5まで。
ポイント4
入居の条件として、
・認知症の診断を受けていること
・その地域に住んでいる(住民票がある)こと
・周辺症状があまりにも酷い場合には断られる可能性があります
・グループホームは医療でのサポートがないため、医療依存度が高い人は入居が難しい
が挙げられます。
ポイント5
グループホームの1ヶ月の金額は、介護度に応じた介護保険負担分のほか、食費と居住費、理美容代、おむつ代、医療費がかかります。おおよそ、15万円~が比較的多い料金です。
ポイント6
グループホームの入居期間は、自ら退所するまで、又は医療依存度が高く入院加療が必要となっとき、施設によっては看取るまでが期間となります。
ポイント7
医療については、協力病院への通院や往診等で対応しています。内服も調剤薬局からの処方となります。緊急で受診が必要な場合は、職員の対応もありますが、入院加療が必要な場合はご家族様の付添が必要になります。
ポイント8
グループホームは、地域密着型の性質上、家族との情報交換を密に行い、悩みや相談を受ける家族会を作っていることもあります。また、行政が運営している地域包括支援センター主催で相談を兼ねたカフェが開催されます。
ここでは、地域包括支援センターの職員を中心に地域での困り事や利用者や家族の話を交え、地域との連携を図ることをしています。
ポイント9
利用者の生活については、ケアマネジャーを中心に計画作成担当者がその方に合った活動計画を作成します。
その中では、家族から利用者のバックグラウンドをしっかりと聴取し、生活歴、仕事、趣味、嗜好を聞き、認知症であってもこれまでに利用者が培ってきたことを活かすことを根底にしています。
計画書は定期的に更新され、利用者又はその家族の同意を持ってサービスを展開していきます。
私が働いているグループホームでの出来事
グループホームは認知症の人を受け入れるわけですので、徘徊、異食、便いじり、妄想等様々な周辺症状に対応する必要があります。
私が働いていたグループホームには夕方になると必ず徘徊される女性の方がいました。徘徊には理由があるとよく言いますが、彼女の場合には「散歩に行く」ということです。
この女性は家にいるときには30分程度の散歩が日課でしたが、認知症の診断を受け、グループホームに入居しました。夕方になると日課通りに散歩に出てしまうのですが、当初、職員は一緒に付いて歩いていましたが、一人だけに付き添うことが人員上難しくなりました。
そこで、駐車場に防犯カメラを付けることにしました。カメラで発見した際には職員がかけつけることにしましたが、カメラでも発見できず、街中まで歩いてしまい、警察で保護されることがよくありました。
そのため施設職員は家族と相談し、地域の警察や地域包括支援センター、民生委員、商店街、地域住民に対してその方の姿や氏名、写真、施設名と電話番号を入れたチラシを提供し、協力していただくようにしました。
このチラシの効果で、初めは、発見したとの連絡が施設に入り次第、職員が迎えに行くことにしていましたが、次第にその地域では「女性はグループホームにいる人で、認知症である」ということを受け入れるようになり、女性が散歩をしていると周りの人が施設に連れてきてくれるようになりました。
そのうち、本人も笑顔が出てくるようになり、現在のところ、事故もなく日課の散歩をしています。
しかし、良い効果ではありますが、交通事故等の様々なリスクが潜んでいます。このような予想外のリスクは排除できないという問題もありますが、それでも本人の充実度の方を今のところは優先しています。
このようにグループホームは認知症があってもその方の生活スタイルを重視し、支援していくことを基本としたサービスを提供をしています。
[参考記事]
「特別養護老人ホームの特徴とは。待機者が50万人以上」
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