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特別養護老人ホームの特徴とは。待機者が50万人以上

 

 特別養護老人ホームは、2000年(平成12年)の社会福祉法、そして介護保険法の施行前は社会福祉事業法と老人福祉法で定められた高齢者の施設です。運営主体は都道府県、市町村、社会福祉法人に限定されます。

 当時は、「行政の措置」に基づき入所が決められ、介護、食事の提供等をしていました。2000年(平成12年)の介護保険法施行により、サービスは「行政の措置」から「契約」となりました。

 入所条件は以前は要介護1以上の認定を受けた高齢者が対象となっていましたが、今では65才以上で要介護3以上の方が対象です(例外がありますが、後ほど説明します)。

 やはり、高齢化でお年寄りの数が増え、待機人数が多くなっている現状で比較的軽い症状の人が入所できないようなシステムに変更となりました。

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特別養護老人ホームのサービス

 特別養護老人ホームには長期入所サービス、短期入所サービス、通所介護サービス(デイサービス)などがあります。

 特別養護老人ホームでのポイントをまとめると

ポイント1
 ケアマネジャーの作成する計画を元に医師、介護職員などの職種がサービスの提供を行いますが、計画は定期的あるいは状態の変化に伴い随時見直しを行います。

ポイント2
 施設に入所してからは、福祉用具(車いすや歩行器、ベッド、エアマット)は施設で準備されています。ただし、特別にその方に必要な福祉用具は実費負担で購入となる可能性もあります。オムツについては施設で準備されます。

ポイント3
 特別養護老人ホームは最期の看取りまで行う生活の場の施設となっていますので、介護老人保健施設のように途中で退所するようなことは基本的にはありません。そのため、住所を施設に移すことも可能です。

 しかし、入所中に体調が悪化し、入院した場合、3ケ月以内であればベッドの確保は可能ですが、それ以上になった場合は退所となり、入院加療に専念していただくことになります。

ポイント4
 定期的に入所検討会議を開き、介護度、家族環境、介護状況、経済状況、虐待などの規定された項目の点数を勘案し点数の高い方から入所をしていくことになります。

 また、特別養護老人ホームは公的な施設である為、虐待など緊急を要する場合は入所が早まることがあります。今では50万人以上の待機者がいますので、入るには時間がかかるのが現状です。

ポイント5
 平成27年の介護保険改正では、重度の方を優先に入所を促すことになり、要介護1、要介護2の方については原則申し込みができなくなりました。

 しかし以下の条件であれば、1及び2の方も申込、入所が可能になっています。

〇認知症で、日常生活に支障を来たすような症状等が頻繁に見られること
〇知的障害、精神障害等を伴い、日常生活に支障を来たすような症状等が頻繁に見られること
〇深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全、安心の確保が困難な状態であること
〇単身世帯家族等の支援が期待できず、地域での介護サービス等の供給が不十分であること

施設では、必要に応じて市町村の意見を聞きながら、特例入所の対象と認められるか、重度の方より優先的に入所するのが適当かを検討する必要があります。

ポイント6
 施設の構造形態はユニットケアを推進するにあたり、平成15年以降の施設は10名程度のユニット型の個室が主流となっています。個室は相部屋よりも費用が高いです。個室は10万円台の前半、相部屋は数万円代後半です。

ポイント7
 特別養護老人ホームでは理学療法士や作業療法士などの機能訓練指導員が常駐しているためリハビリテーションを受けることができます。医師は非常勤勤務でもいいとされているため、常駐していることは少ないです。

 また、レクリエーションも行われるため、認知症の進行を緩やかにする効果が期待できます。

ポイント8
 平成18年の介護保険改正により、居室料と食費が保険適用から実費負担となりました。その際、低所得者の負担を考慮し、居室料と食費の「減額制度」が併せて開始となりました。

 世帯収入に応じて4段階に分け、1から3段階の世帯が軽減措置が適用されます。例えば生活保護世帯や世帯の収入が80万円以下などの条件があります。

 また社会福祉法人運営の施設の場合、「低所得者利用者負担軽減制度」も併せて活用できます。条件は以下の通りです。

市町村民税世帯非課税であって、次の要件を全て満たす方のうち、その方の収入や世帯状況、利用者負担等を総合的に考えて、生計が困難な者として市町村が認めた者
〇年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下であること。
〇預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下であること。
〇日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。
〇負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
〇介護保険料を滞納していないこと。

[参考記事]
「介護老人保健施設の入所基準と認知症介護での役割」

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