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認知症の進行は止められるの?

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 残念ながら認知症の進行を完全に止めることは現在の医学では出来ません。しかし、認知症は世界中で研究が推し進められており、メカニズムの解明や新薬の開発など様々な取り組みが成されています。

 中には手術をすれば認知症が良くなるケースや薬以外の方法で周辺症状に効果があった事例がありますので、それを紹介します。

手術で認知症の症状が治まるもの

 認知症があるものの、手術で原因を取り除く事で認知症が治まるものがあります。これは、『正常圧水頭症と慢性硬膜下血腫』です。

 「正常圧水頭症」は脳室に髄液が溜まり何らかの原因で排出できなくなった結果、その部分が肥大化し周囲が圧迫される症状が現れます。その結果、記憶力に障害が生じたり、まっすぐ歩けないなどの不具合が生じます。

 「慢性硬膜下血腫」は硬膜と脳の間に血腫(血の塊)が形成された状態で、原因としては転倒やどこかに強くぶつけた時の頭部外傷が挙げられます。症状は記憶障害や頭痛などがあります。

 正常圧水頭症は髄液を排出させるシャント術、慢性硬膜下血腫は血腫を取り除く手術が行われますが、上手く行けば認知症が収まるケースもあります。但し、アルツハイマー型認知症等と併発している場合は症状が治まるわけではありません。

[補足]
 人の脳は頭蓋骨の下がいきなり脳になっているのではなく、外側から頭皮→頭蓋骨→軟膜→硬膜→脳という順番になっています。

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認知症の進行をどれだけ緩やかに出来るか

 認知症の進行は周囲の関わり方で、進行具合が変わってくるケースが多いです。つまり、周囲が関わり方を配慮しなければ進み具合を速めてしまうという事です。逆も然りで周囲の対応次第で進み具合を遅らせる事も可能です。

 ここでは職員の対応で認知症の症状が改善した例を挙げます。私(介護福祉士)は日常生活の自立度が3b(日中・夜間共に日常生活に支障がある言動や、意思疎通の困難さがある)のアルツハイマー型認知症の人に対して、「ある取り組み」をしました。その結果、BPSD(周辺症状と呼ばれている)が90%程度減り、発言が混乱や不安を示す内容のものから前向きなものになり、表情がとても良くなった例がありました。

 その取り組みをした相手の人は、元公務員(教師)で非常に真面目な人です。訴える内容として、「自分はここに居て良いのか・何をすれば良いのか」というものが中心です。それに対して介護職員がその人と一対一で向き合い、簡単な勉強を教わったり(職員が勉強を教えてくださいと頼みました)、家事をしてもらうなど出来ることをしてもらい、必ず最後には「助かりましたよ。ありがとうございました」と助かった旨とお礼を伝え、存在を肯定する取り組みを行いました。また、職員全員にアルツハイマー型認知症に対する知識を教え、その上で否定や上からの物言いをする事を止めるよう伝えました。

 これら二つの事を行なったことで、元公務員の方は存在を肯定される事から「自分はここに居て良いのか」という不安を感じなくなり、表情が改善して帰宅願望・徘徊・奇声を発するという事が無くなったのです。このような良い関わり方を続けていけば認知症の進行を緩やかにすることも可能になります。

 この例はいかに認知症の人にとって「いきがい」が大事なのかを伝えてくれているので、是非参考にしてください。

[参考記事]
「デイサービスを使うと薬の効果が高くなるのか」

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