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父を嘘を言って認知症の検査を受けさせました

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今回は40代の男性に記事を書いていただきました。

………………………..

■父が認知症になりました。

よく、「早期発見」と言いますが、少し様子がおかしいとは思っていましたが、早期に受診させるという決断は無理でした。
私は高齢者施設で介護職員をしていますが、それでも決断は難しいので、通常の家庭ではもっとそうであろうと思われます。
母親も「おとうさんはも年を取ったからねー」と最初は真実から目を背けていましたが、「何かおとうさんおかしいよね?」と私に何度か相談をしていました。
その場で、医者に行こうと決断すればまだ軽度認知症の段階だったはずです。
「まだ大丈夫よね」という甘い気持ちが、家族からは起こるものです。
この時から1年半経ってようやく医者に見せなければと判断し、知り合いの医者にコンタクトをとり、父を騙し、病院に連れて行きました。
母親が「最近、物忘れが多くて、病院で認知症かどうか調べるから、おとうさんも一緒についてきてほしい」と父に頼み、病院に連れて行きました。
そして、母親と一緒に父も診察室の中へ入りました。
そして「おとうさんも一緒に調べてもらえばいいよ」と提案したら賛成してくれたので、そのまま診断という流れになりました。
医者にはこれまでの経過を話し、脳のMRI撮影をしてきてほしいと言われたので検査室へ向かいます。

■決断の時

医者は、診察室に戻った父に長谷川式簡易知能評価スケールで質問をしましたが、なぜか母親が答えるのですね(参考記事「よく使用される認知症テストは2種類。長谷川式簡易知能評価スケールとMMSE」)
母は、夫の恥を自分がカバーしなければならないと高齢の夫婦の考えることです。
すぐに、医者かは「奥さんは、答えないでください」と注意を受けました。
当たり前ですね。検査になりませんから。

やはりどんな質問にも父は、分からないことをごまかすようにしゃべります。
医者は父ののらりくらりの返答にも笑顔でかわし終了しました。
後で父親のいないところで「検査の時、認知症ではないように取り繕うことは良くあるのですよ」と言っていました。

MRIの写真が届き私達に見せていただきました。
それは、自分の父が認知症になったという証拠を示していました。

医者は私の目を見ながら最初にアイコンタクトをしました。
「おとうさんの病名は、認知症です。正式には、アルツハイマー型認知症です」と言われました。
それを聞いた父は、「そうですか・・・わかりました」とわかったのかわからないのか身構えながら返答しました。

■父の言葉

父を車に乗せ、病院外にある薬局に母親が行き、父と二人で車の中でいました。
いつもの父であれば、自分の認知症に関する恐怖については口に出すことはありません。
だが、今の父は違います。
口数も少なく後ろで、1分前に薬局に入った母に「全く遅いね、何やっているんだ」とそのフレーズを何回も言いだしています。
私は、最初「・・・まだ呼ばれないんだよ」と同じフレーズを何回も話していました。
なぜならこれから父にどんな対応をすればいいのかわからないからです。
そんな時です父が、黙り「・・・おい、オレをどうするんだ」といいました。
え!「何言ったんだ」私には、答えがありません。

「おれを、施設に入れるのか。それだけは、やめてくれ。お願いだから」と父がはじめて弱気な事を口にしたのです。
私の頭の中では、まだ始まったばかりでどうするかなど考えていません。
「ばかだね!だいじょうぶ、きちんと薬を飲んでいれば症状は進まないと先生が言ったでしょう。それにそのくらいの症状で施設は、受け入れないよ」と笑顔で答えましたが、私にはそれ以外の言葉は思いつきませんでした。

■戦いのはじまり

私の仕事は、高齢者施設での介護職員です。
(現在は、重度障害者訪問介護員)認知症の高齢者や健常の高齢者を対象に介護業務をこなしていました。
仕事として利用者(高齢者)の生活介護、身体介助。
ご家族には、日常生活(ADL、QOL)の状況報告をして指導も行います。
また、研修生の講師や新人教育や色々とコンスタントにこなしていました。
人へは色々と思いつき言えますが、いざ自分の家族となれば案外とできないものです。
家族の苦しみや苦労がわかった気がします。

母と私は、昨日起こったことなどを忘れた父にいつもと変わらない生活をするように心がけるようにしました。
最初父は、いつもと変わらずに少しの健忘や体の動きのぎこちなさが目立っていました。
それは、認知症の進行を受け止めなければならいことでした。

■信用できる人材

両親から「あまりよその人(介護関係の人)を家にあげたくない」と言ってきました。
まだ、母親も元気はつらつですが介護保険や支援については分からず、夫婦として夫の不始末は妻が面倒を見なくてはいけないと言うジンクスを貫こうとしているのです。
現代のシステムを話しても「分かっているから・・・大丈夫だから・・・」と聞く耳はありません。
とにかくケアマネージャーだけは決めないといけないと思い、母親を口説き落としてケアマネージャーを決めることにしました。

社会福祉協議会に電話をしたところ一人の男性が、「私でよろしければ、お受けします」と言ってくれました。
とりあえずどんな人かは知らずにいましたが、やはり社会福祉協議会です。
こちらからの難問をことあるごとに解決していただき、「いやだ!ディサービスなんかいくもんか!おれを、年より扱いしないでくれ!」と子供みたいにダダをこねていた父が今では「今度はいついくんだ?」とうるさいぐらいに言うのです。

本人の楽しみが増えたことについては認知症の進行を遅くすることができるので幸いです。

■家族性認知症

私の父はアルツハイマー型認知症ですが、父の親も今で言う認知症でした。
ある番組で、認知症は遺伝すると発表がありました。・・・と、「もしかして自分も」と思いインターネットで家族性認知症について調べました。
確率的には遺伝することは低いそうです。
父親を診ていただいた医者に病院で行われている勉強会で逢う事が出来ました。
もちろん話題は父の認知症の件です。
「先生、認知症は遺伝しますか?」の質問に医者は考え込んでいます。

私はそのまま話を続けました。
「アメリカの学会などでは、認知症が遺伝すると聞きます。確率的にはどのくらいと言われていますか?」

医者は考え込み、「そんなに考えなくてもいいとは思うよ、すべてが遺伝ではないからね。生活習慣もあるしね。それにまだ研究段階だから」と言われました。
少しは安心しました。

■今後について

どうなるのでしょう?それが、認知症患者の家族の悩みでしょう。生きられるのか、死んでしまうのか、すぐに。現在の医学では分からないそうです。
両親を守れるのは、その御家族です。

[参考記事]
「認知症の診断方法はどのようにするの?」

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