認知症の周辺症状により「もしもし」と連呼するMさんの事例
「もしもし」と連呼するMさん Mさん(89歳 女性 アルツハイマー型認知症)はサービス付き高齢者住宅に入居されました。入居時はまだ、アルツハイマー型認知症は発症しておらず、感じのいいおばあちゃんといった印象でした。シルバーカーを使用し、歩行・排泄・食事は自立されており、入浴時に髪と背部を洗うのみという一...
「もしもし」と連呼するMさん Mさん(89歳 女性 アルツハイマー型認知症)はサービス付き高齢者住宅に入居されました。入居時はまだ、アルツハイマー型認知症は発症しておらず、感じのいいおばあちゃんといった印象でした。シルバーカーを使用し、歩行・排泄・食事は自立されており、入浴時に髪と背部を洗うのみという一...
入所施設を利用中で認知症の診断を受けているSさん(80代前半女性)は、身体のADL(日常生活動作)も比較的高く、社交性もあり、職員に対しても謙虚に対応してくださる方でした。 身体の問題よりも、収集癖が強いことが問題点としてあり、食事の際のおしぼりやおやつ、デイルームに置いてある飾り物などを自分のバッグ...
「お年寄りは骨折して動けなくなったら、認知症が進む」と聞いたことがありませんか。以前、「認知症の予防に運動は効果があるのか」の記事で以下のように書きましたが、「動く」ということと脳の機能は相関関係があります。 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の研究によると1週間に2回、各1時間の運動を半年間行った...
真夏の8月に介護老人保健施設に入所されたMさん(59歳男性)は、若年性認知症と診断され、特定疾病の対象として介護保険を利用するに至り、緊急で入所先を探していた方でした。 それまでは家族と共に在宅で過ごしていましたが、急速に病状が悪化し、家族の手に負えない状態となり、外を徘徊していたところを警察に保護さ...
養護老人ホームに入所されているTさん(87歳女性)は身体はとても元気な方ですが、認知症で要介護4が認定されている方でした。 養護老人ホームとは一体なにか 一般的な老人ホームのイメージとして特別養護老人ホームや老人保健施設(いわゆる「老健」と呼ばれているところ)を思い浮かべる方が多いと思いますが、養護老...
暴力行為のあるTさん(62歳 女性)は、産まれた時から体に障害がありました。両親は、障害があったTさんよりも2歳年下の妹を可愛がり、5歳頃からTさんは救護施設に入り、両親はあまり面会には来ないという複雑な家族環境で育ちました。 以前は、体に障害があっただけでしたので、救護施設から作業所に通うなどしてお...
●きっとある!「魔の14時」 一言で認知症と言っても幅広く、まさに十人十色の症状があります。一般的にそれらの症状は中核症状と周辺症状に区別されますが、それら症状が現れる原因(きっかけ)も様々で、突然スイッチが入ったかのように認知症状が現れたりするケースも多いです。 私が約10年間の間に3つの通所施設で経験した「認知...
原因不明で特効薬がない認知症 認知症といえば誰しもが思いつくのはアルツハイマーですが、意外と知られていない前頭側頭型の認知症は他のタイプと較べ患者数も少なく、私の勤務する施設にも少数しかいません。 前頭側頭型の新規の利用者が来ると聞くと職員同士でも顔を見合わせてしまうほどの、悪い言い方をすると問題行動...
夕方の不穏からの暴力行為、転倒にによる度重なる怪我 A子さん(当時82歳)は小柄で女性的でとてもかわいらしい女性ですが、典型的なアルツハイマー型認知症を持つ利用者様でした。 話かけるととても嬉しそうにお話してくれますが、基本的にろれつは回らず、会話はよくよく注意して意識していなければ理解できない状態で...
Nさん(80歳後半女性)は、重度のアルツハイマー型認知症により、意思疎通ほぼ不可(会話を促しても会話にならない)、手引き歩行可、麻痺なしのADL(日常生活動作)レベルの方でした。 家族の献身的な在宅介護により、入所を希望せず、通所介護を週3回利用することになりました。対応が難しく、意思疎通が不可なので...