認知症による失語の事例を3つ紹介します
認知症は、時に患者さんから言葉を奪っていってしまいます。認知症の中核症状として失語は位置づけられています。 私は介護職としての経験は長いので、認知症で失語の症状を持つ人を多く見てきています。その中の印象に残っている3人を事例に挙げて、説明していきます。 中国人のKさんの失語の事例 Kさん(81歳女性...
認知症は、時に患者さんから言葉を奪っていってしまいます。認知症の中核症状として失語は位置づけられています。 私は介護職としての経験は長いので、認知症で失語の症状を持つ人を多く見てきています。その中の印象に残っている3人を事例に挙げて、説明していきます。 中国人のKさんの失語の事例 Kさん(81歳女性...
特別養護老人ホームに入所されて3か月のAさん(80代女性)は入所以来、夕暮れ時になると「家に帰らないといけない」「ご飯の準備をしなくちゃいけない」と言われることが度々あります。この症状は特別珍しいわけではなく「夕暮れ症候群」と言われています。 夕暮れ症候群が起こる理由は 生活の中で夕暮れ時は仕事が終わ...
特別養護老人ホームに入居されているBさんは認知症が進むことで現れる「異食行為」が目立つようになってきました。最初のうちは他の利用者が床に落としたご飯やおかず等を拾い、口に入れる事をしばしば目撃しました。その都度声掛けで対応していましたが、一向に止める気配が見られませんでした。ただしこの時点では口に入れて...
70代の女性利用者Fさんの「認知症によるお金の執着と被害妄想」についてお話しします。Fさんはグループホームでは買い物に出かけたり、ご飯を作ったりして過ごされていましたが、ある日、転倒し、大腿骨を骨折してしまいました。完治はしましたが歩くのを嫌がるようになり、グループホームでの生活が難しくなったために、私...
認知症のYさん(77歳男性)は老人介護施設に入所しています。Yさんの症状は、特に時間認識と人物認識が困難なことです。私はYさんの身の回り全般のお世話をして4年目になります。 1年目はお部屋に伺う毎に、他の職員同様「お宅は誰ですか?」と聞かれました。Yさんは、施設に入る前の認知症の症状が出始めた頃から、...
主人の祖母(現在93歳)は、もともと手先が器用で、裁縫が得意、俳句や俳画も趣味で長年作品を作り続けておりました。また、おしゃべりが好きで、交友関係も広かったです。 それが、5年前に祖父を亡くしてから大きな変化が起きるようになりました。寂しさからか、だんだん物忘れがひどくなり、昔のことは正確に覚えていて...
トキエさん(仮名:81歳)は、いつもゆったり構えていてニコニコされている穏やかな老人です。息子夫婦と過ごされていましたが、認知症による見当識障害があり、時間の感覚が判らなくなり夜にずっと起きていて、昼間寝てしまうことが多くなりました。 また、薬の飲み忘れが多くなっていることから、家庭では対応が難しくなり、長女の...
認知症は環境が変われば一気に進行することがあります。介護施設への入所は、これまでの生活スタイル、交流関係、食事、部屋の様子などありとあらゆるものが一変する「とても大きな生活環境の変化」です。高齢者施設への入所をきっかけに、これまでになかった症状が発症するのは、珍しいことではないのです。 入所を境に症状が...
サワコさん(仮名:92歳)は、高齢ながら自立歩行で、何でも自分でしようとされる比較的元気なおばあちゃんです。若い頃から接客業を中心に仕事をされていたようです。人と接するのが大好きで、老人ホームにいるときは、何か手伝いをしたがり、ここが仕事場だと思っています。 すぐに消える短期記憶 サワコさんが老人ホー...
特別養護老人ホームに入所されていた、当時70歳後半女性の強い帰宅願望についてお話させて頂きます。 居場所の確認 彼女は、入所された当時は初期の認知症でしたが、日を追うごとに認知症は進行し、昼夜問わずベッドから抜け出すようになりました。自力で歩ける方でしたので、スタッフルームの隣の部屋(2階の個室)で見...