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老老介護の良い点と最低条件

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 家族の核家族化に伴って表面化した問題の1つに「老老介護」があります。老老介護とは高齢の夫婦のどちらかが病気などの理由で介助の必要に迫られた場合、配偶者が介護することです。核家族化のため、高齢の配偶者以外に介護をする人がいない場合に老老介護になります。

 このように普段あまり良くない部分にフォーカスを当てて語られることの多い問題ですが、視点を変えて「老老介護の良い点」と「老老介護の最低条件」についてお話しします。暗い話ばかりでは良くないですから。

老老介護の良い点

 老老介護に良い点なんかあるのか?と思われたかもしれませんが、結論から言うとあります。絶対的に介護職や他のご家族では太刀打ちできない歴然とした差です。老老介護ということは、介護をしているのが配偶者です。ということは、要介護者と過ごしてきた時間が数十年単位で異なります。

 認知症ケアにおいては、介護者が相手の性格や普段からの過ごし方や生活様式を知っていれば好き嫌いをより理解できますので、適切な対応(認知症の方が満たそうとしているニーズに対して働きかける)を取るヒントを得やすくなります。

 例えば認知症の人の過去に何があったかの情報は配偶者しか分からないことが多く、仕事として行っている介護職ではとうてい太刀打ちできません。例えば私は次のことを経験しました。男性スタッフを受け付けない女性の認知症の方がいたのですが、その原因が何か最初は分かりませんでした。そこで、何とかコミニュケーションを取り、話を引き出すと、過去に旦那さんからの暴力や浮気があった現実を知りました。

 他の例では夕方出て行こうとする認知症の方の職歴が夜勤の看護師だったという事もありました。中には介護職の仕事が忙しすぎて、ここまで話を引き出すことが出来ず、「ただの徘徊する迷惑な人」で済まされてしまう恐れもあります。

 ですので、認知症の方の言動や行動の理由を判断する上でバックグラウンドを知ることは不可欠で、数十年連れ添った人は本人の発しているニーズがどういう理由からなのかの判断が付きやすいのです。

老老介護の最低条件


 大前提として介護をする方が認知症ではないことがまず一点挙げられます。介護をする人が最低限の分別と判断量を有していることが条件です。
例えば認知症の方は
〇決まった量の薬を時間通りに服薬することができない

〇どの道を行けば目的地に辿り着くか分からない

〇道を渡るタイミングが分からない(私は認知症の方が交通量が多い道を青信号で渡り、クラクションを鳴らされても危険を認識できず平然と渡っているところを保護した経験があります)

〇閉め切って高温の部屋に冷房も使用せず冬場の格好で過ごしている
等、挙げればいくらでも出てきますが、これらの正常な判断や記憶保持が出来ないことが多くなります。

 そこでこれらの判断が出来る介護者を必要とします。認知症は進行具合で正常な判断を下すことが難しくなる為、認知症の方が認知症の方を介護していると生命の安全を保障できません。


 介護する人が高いADL(日常生活動作)を維持していることが必要です。ADLは排泄、食事、入浴などの最低限の動作のことを言います。介護は重労働ですし、要介護者のできない事を代行するには高いADLが必要です。

 大介護時代の到来・国の在宅回帰の施策・少子高齢化によって老老介護は普通の事となりつつあります。老老介護について否定で入るのではなく、良い点に注目しメリットを活かすことで介護の形が変わるかもしれません。

 それと最後に言っておきたいのですが、老老介護は想像以上の大変ですので、(何かが起こる前に)限界を感じたら介護施設に入れることも選択肢の一つとして考えてください。

[参考記事]
「[認知症介護]老老介護の実例。妻を突き飛ばし骨折させた夫」

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