Read Article

広告

認知症により新聞や雑誌を食べてしまう異食行為への対応

広告

 

アルツハイマー型認知症の80代のW様(女性)は、軽度の認知症を患い、車イスを利用しています。
そして、週3回、デイサービスに通っていますが、そこで起きた「異食行為」とその対策について説明します。

【施設での生活】

車イスを利用している為、職員の手を借りないと出来ない部分(入浴、トイレ)もありました。
会話はしっかりできていましたが、徐々に会話もかみ合わなくなり始め、認知症も少しずつ進行しています。
毎回、食事の時間を楽しみにされ、いつもおいしそうに食べられています。

【口をもごもごしている】

いつものように午前中、入浴が終わった後は水分補給し、絵を書いたり、本を読んだり、パズルをしたりと、好きな事ができる時間帯の出来事でした。
水分補給が終わり、しばらくするとW様は口をもごもごしていました。
「そんなに口をもごもごして、何をしているんですか?」と尋ねると、何も言いませんでした。
何か変だなと思い、口を開けてもらいました。
すると、テーブルに置いてあったティシュを口に入れていました。
「そんなにティッシュを口に入れてどうしたのですか?」「おしいしですか?」と言いながら、口からティッシュを出してもらいました。

【食べ物以外を口に入れる】

その日を境に食べ物以外のものを口にする行為が見られるようになりました。
ケアマネージャー及び家族に連絡を行い、自宅での様子を聞いてみると、自宅でもたまにいろんなものを口に入れていることがありますと回答がありました。
家では喉を詰まらせると死につながるため、「何を口に入れてるの!」と叱り、力ずくで口から物を出す時があると言われました。
かかりつけ医に相談はされていないようだったので、早急に相談するようにお願いしました。

【異食症状】

かかりつけ医からは認知症が進行し、異食症状が見られるとの見解でした。
ここで初めて「異食」という現実にぶつかりました。
家族も「そんなことはない」と素直に受け入れられない状態でした。

「異食」は口に入れて通常、味覚で「まずい」と思えば、口から吐き出すものです。
しかし、W様は味覚がなく(この時に知りました)、近くにあるものを何でも「口に入れる」行為をしていました。
これは、食べられる物と食べられない物の区別が出来なくなってしまっているためです。
認知症の方の中には汚物を口に入れてしまう人もいて、認知症の他の症状とは違って、健康に直接影響を及ぼす行為です。

【異食の対応】

自宅では食べ物以外、手の届く場所には何も置かないことを徹底しました。
それでも車イスで移動して新聞、雑誌をちぎって口にする行為が見られました。
食べ物でも大量に摂取すると、喉を詰まらせてしまう危険がありますので、口に入れることができる食品でも注意が必要でした。
ですので、ご家族様には新聞、ティッシュなどの紙製品、そして消しゴムなどの文房具、メガネ拭きのような小さい小物を手の届く箇所に置かないようにお願いしました(W様は車イスなので高い場所には手が届かないため)。

デイサービスでも、テーブルに物を置かないことを徹底したため、その後の問題は発生しませんでした。
しかし、自宅では、常に誰かが近くで見守りをしている状態ではありません。
そのため、日中、一人でいる時間帯を減らすためにデイサービスの利用回数を週に2回から3回へ、そして訪問ヘルパーの利用を開始し、さらには家族の中で交代でW様の見守りをする時間を作るようになりました。
はっきりと家族のW様への介護負担が増えましたが、万が一のことを考えると、今できることをしましょうと相談し、家族、ケアマネージャーと日々、連携を取っています。

「異食」を防ぐにはできる限り誰かといる時間を多くするしか、方法が無いのが現実です。

[参考記事]
「認知症介護:便を顔に塗る弄便や便を食べる異食行為への対応(実例)」

URL :
TRACKBACK URL :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

Return Top