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認知症に対する非薬物療法(回想法、バリデーション、RO)について

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非薬物療法は認知機能を改善したり、BPSDの出現を減少させたりといった効果があるとされています。
その手法は数多く知られており、それぞれに特徴があります。
そこで代表的な手法を紹介していきたいと思います。

リアリティ・オリエンテーション(RO)

リアリティ・オリエンテーションとは現実見当識訓練とも言われている介入技法の一つです。
1968年にアメリカの精神科医であったFolsom氏によって開発されました。
「今は何時なのか」「ここはどこなのか」といった現実見当識障害に対して「現在の見当識に関わる情報」を提供していく手法です。
大きく分けて「24時間RO」と「クラスルームRO」の2種類に分けられます。

「24時間RO」では施設などの日常生活の中でスタッフが、日頃のコミュニケーションの中で、現在の見当識についての情報を取り入れていく方法になります。
例えば着替えの介助をしながら「もう秋祭りの季節なので長袖が必要ですね」とか、季節の花をさりげなく置いて会話に取り入れるなどといったコミュニケーションを生活の中で随所に入れていきます。

これに対して「クラスルームRO」は30分から1時間程度で行われるグループワークの中で実施されます。
認知機能のレベルによって少人数のグループを作って行い、スタッフが進行役をしながら、名前や時間、場所といった情報を共有していきます。

ROは繰り返し見当識への刺激を与えていくことで、認知機能の低下を防ぐことが期待されます。
また、見当識が低下していることでの不安を共有しながら、他者との関わり合いを続けていくため、主観的QOL(自身が判断する生活の質)に有意な効果を認めるとされています。
しかし、高度の認知症患者に対して一方的に見当識の確認を行ってしまうと却って不安を煽ってしまうこともあるので注意が必要となります。

回想法

回想法は1963年にアメリカの精神科医のButle氏により提唱された介入方法です。
昔の思い出を話したり、懐かしい情景を思い出したりすることで認知機能の活性化を促す手法です。
グループ回想法と個人回想法が代表的な手法です。
グループ回想法は8人程度の参加者と進行役で行います。
しかし、必ずしも決まった形式で行う必要はなく家庭での会話などでも活用できる手法です。

回想法は懐かしい情景を思い出すきっかけとして昔の家具やおもちゃ、CDなど五感を刺激する様々な小道具や材料を用います。
回想のテーマは子ども時代の思い出から、青年時代の体験、就労、結婚後の経験など時系列にテーマを設けたり、季節や行事に関してのテーマを回想したりするなど参加者の興味や関心を評価した上で設定します。

認知症への効果は自分の人生を振り返り、自己を再認識することで自信を回復し、認知症による不安を解消する効果があるとされます。
さらに、他人と共感しあい、楽しみをもって関わることで生活が活性化されることが期待できます。

また、回想法は職員や家族といった実施する側にも効果があります。
対象者の生活史を知ることで、日々の具体的な会話や対応方法を見つけていく糸口となります。

バリデーション

アメリカのFailによって提唱されたコミュニケーション手法です。
バリデーションとは「確認する、認める」といった意味があり、認知症の方の感情に共感し、コミュニケーションを図るものです。
例えば「ものが盗まれた」という方に対し、否定的な返答をせず、しっかり同じ目線でアイコンタクトをします。
そして、相手の言葉を繰り返し(リフレージング)、「そうなんですね。今度、警察に相談しましょう」と思いをしっかり傾聴しながら、共感をするという方法をとります。
たとえ意思が示せず、寝たきりの方でも、声かけを優しくしながら、手や頬に触れる(タッチング)ことで思いを共感します。
このアイコンタクト、リフレージング、タッチングなどの手法をバリデーションと言います。

どの手法も気軽に実践でき、特別な道具も必要ありません。
ぜひ、少しでも学んでいただき、日々の関わりをより充実したものにしてみてください。

[参考記事]
「認知症患者に対するリハビリテーションの必要性」

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