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過食、盗み食いを行なう認知症高齢者に対する対応(実例)

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特別養護老人ホームに入所されていたGさん(男性・78歳)は、過食行動が問題になっていました。
独自歩行の可能な方だったので、おやつの時間や食事の時に食堂で他の入所者の方の食事を食べてしまう行動がみられました。
特に、車椅子を使用されていて食べ物の摂取に時間が掛かる入所者のお皿から、手づかみで食事を奪ってしまうことが多かったです。

Gさんは、前職は大工の仕事をされていて、力が強く、止めようとした他の入所者に手を上げようとする場面なども見られました。
その際は職員が間に入って、事なきを得たのですが、Gさんの食べ物に対する執着には凄まじいものがあり、ミーティングでの話題になりました。

認知症入所者の過食の原因と対応

Gさんの場合は、認知症により満腹中枢がうまく機能せず食べてもお腹が一杯になった自覚がなかったり、食べたことを忘れてしまうなど。
この場合、食事のメモを取って本人に食事の回数を確認(自覚)していただく方法もありましたが、Gさんの場合は食事のメモに興味を示さなかったので別の方法で対処することになりました。
それは
● おやつの量を減らし、代わりに回数を増やす
● 食事の際は、職員の見守りが可能な場所で食べていただく
● 本人用のお菓子を購入してもらい、お腹がすいた訴えのある時に食べていただく

Gさんは菓子パンが好きでした。
個室の冷蔵庫で保管すると一人の時に食べてしまうため、職員のいるステーションの冷蔵庫に食品を保管させてもらいました。

職員が準備していた入所者のおやつを食べる行為

食事の際のGさんの過食行動は治まりましたが、ステーションに職員が準備していた午後の入所者用のおやつを勝手に食べてしまうことがありました。
おやつのお皿はステーションの奥の部屋に置いてあり、入所者からは見えないようになっていたのですが、Gさんは職員がどこからおやつをもってくるのかを観察して覚えていました。
ある時には、準備したお皿ではなく、お菓子の袋から直接食べていたこともありました。
職員がおむつ交換などでステーションに人がいない時間に、Gさんの過食や盗み食いが始まることがほとんどでした。
ステーションの扉には鍵がついていたので、Gさんの行動が治まるまで、職員が不在の際は鍵をかけて対応することになりました。
ステーションに入れなかったGさんは、「おーい!おーい!」と職員を手招きする様子が見受けられました。
「皆のおやつなので、Gさんのお菓子をお出ししますね」と声掛けし、Gさん用の菓子パンを小分けに出して対応していました。

過食や盗み食いはよくある行為

Gさん以外にも、過食というほどではなくても盗食をする入所者の方は多かったです。
満腹中枢がうまく機能しない他にも、「食べてしまったことを忘れる」というシンプルな原因で、ほかの入所者の食事やおやつを食べてしまう、自分と他人の食事が見分けられない「失認」などの症状によるものが多かったです。
当のGさんは普段は気さくな方で、大工の仕事をしていたときの話をよくしてくださいました。
「汗をかくので仕事の合間に塩をなめていた」という話が印象深かったです。
体力を使う仕事なので、食事に関しては人一倍気を使っていたのだと思います。
ご本人の習慣や、認知症状の進行によって、過食や盗食は起こりやすいケースです。

[参考記事]
「認知症の周辺症状ってどんな症状なの?」

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